ア!安全快適街づくりについて

まちづくりとNPO

理事     成戸 寿彦
(東京地下鉄株式会社理事、元東京都捜監・都市計画局長)


 私の第二の勤め場所となった営団も、この4月から東京地下鉄株式会社として再スタートした。「変わります!心も動かす地下鉄へ」をキャッチフレーズに、民営化に取り組んできたが、ハートMのマークとともに「東京メトロ」という愛称も少しは浸透しているだろうか。期待とともに心配もしている。(皆さん、いっそうのご利用をお願いします。)

 ところで今回ご報告したいのは、こうした本業のかたわらボランティアとして活動しているNPOとまちづくりについてである。団体の名前を「ア!安全快適まちづくり」(理事長石川金治元東京都技監・建設局長)といい、安全で親水性豊かなスーパー堤防の普及活動とともにスーパー堤防とまちづくりとの合併施行について検討している非営利団体である。

 合併施行のあり方については、現在、国の外郭団体が行っている調査に、私を含めNPOのメンバーを無報酬で派遣し調査に協力しているが、この点については、各々今まで培った専門能力を発揮できるため、一定の成果を上げつつある。間題は、こうした調査が完了し、数年後、現地に入るときのことである。

 当然のことながら、当NPOは事業主体になることは考えていないので、都庁時代のように事業主体であることを前提とした現地への入り方はできない。むしろ、行政と住民の間に入つて、第三者的な特長を生かした橋渡しをするのが、役割と考えているところである。

 調査の結果得られた知見を基に、どのような事業手法のもと、誰を事業主体にすればよいか、そのときの各セクターの事業費〈負担〉はどうなるのか、地元住民はどのような影響を受けるのか等などを説明・調整し、事業の潤滑油になることである。

 そうはいっても、NPOといえども組織を動かしていくからには最低限の活動費は必要となる。そうした費用の稔出をどうするかなど今後の課題は多い。

 都をはじめ国や区市などにおける今後の都市計画行政においては、各種NPOと連動したまちづくりも特長のひとつになることであろう。こうした点を見越し、都市計画局においては、「東京のしゃれた街並みづくり推進条例」を施行し、街並み景観づくり制度やまちづくり団体の登録制度を設けたことは、まことに時期を得た試みである。

 こうした制度において、まちづくりを手助けしようとする各種NPOを育成する内容を一層充実されんことを切望するとともに、区市などにおいても一層のご理解とご協力をお願いするしだいである。


この文章は「東京都校友会会報 第236号(平成16年4月1日発行)」に登載されたものです。

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