江戸川区における潮位表示の取り組み
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安心・安全のまちづくりは事実認識から

―江戸川区における潮位表示の取り組み−

江戸川区土木部計画課長

高井 聖



 7割が海水面下で、堤防が無ければ水没してしまう江戸川区、
これまで水害との闘いの中で、どれ程の犠牲を払い資産を投じ
てきたことか。 
  少々の大雨でも被害がなくなったのは、つい最近のことであ
る。しかし、その対策も人知の及ぶ範囲に過ぎない。いつ、今
まで体験した事の無い大水害に見舞われる分からない。
 しかもその危機は、日増しに現実のものになってきている。
その備えの決め手になるのがスーパー堤防である。
 区ではこの事業の推進のため、今年度から課も新設し、精力
的に地元行脚に乗り出したところである。 
  しかし、事業には長い年月と莫大な経費を要し、何より沿線
住民の理解と協力が無ければ成就しない。そのためには、ただ
必要性を訴えるだけでなく、日々の暮らしの中で自然に必要性
を浸透させていく取り組みもあわせて必要である。
 そこで、昨年から始めたのが、現在住んでいる街が海面より
低く、常に洪水の危険に晒されていることが一目瞭然で理解で
きる「潮位表示」である。今年度は、この取り組みを本格化さ
せ、区内全域に配置する予定である。
 配置場所は、地域に最も馴染みがあり教育効果も期待できる
小中学校の校舎の壁。主要な公園に設置済みの防災無線の柱。
そして、各事務所など百数十箇所に及ぶ。
 「観測史上最大の豪雨と未曾有の被害」が各地で多発し、大
地震を含め、地球規模で頻発し始めている。例外など有りえな
いのである。一刻も早く、最も危険な所に暮らしていることを、
区民に認識してもらわなければならない。
 この取り組みにより、区民が迫りくる危機を我が事として受
け止め、その反響を手がかりに、事業推進の機運を盛り上げて
いければと考えている。