活動の年次記録

平成23年度総会

平成23年6月19日

平成23年度定時総会結果!

~初めて日曜開催・活発な討議に終始~

 平成23年度の定時総会は6月19日14時から、葛飾区新小岩地区センター4階ホールで、評議員会、理事会に引き続き開催されました。初めての日曜日開催で地元の皆さんも大勢参加し、活発な意見交換の行われた活気ある総会となり、予定を大幅に超過して5時ごろ閉会となりました。その結果、提案された議案は全て提案通り承認されました。詳細は以下の通りです。


加藤先生の講演

 開会に先立ち、当NPOの理事で長年にわたり活動を指導いただいている東京大学の加藤先生から「東日本大震災を契機に自然災害のリスクを冷静に捉えてみる」と題する講演がありました。

 加藤先生は今回の震災は人口も経済も右肩下がりの中で広範囲にわたり、大きな被害をもたらした災害で、従来右肩上がりを前提に組まれていた都市計画制度や、広域被害を想定していなかった災害基本法などでは対応できないものだったこと、復興基本法といったものもなく政治のリーダーシップもない中で復興をどう進めていくかボトムアップで考えていかざるを得ない状況にあったことに触れ、いささか社会が災害に対しヒステリックになっているのではないか、社会の求める安全とは人々の命を守ることを最低限とし、それに加えて立ち直れなくなるほどの被害にならないようにすることではないかということを指摘されました。また、復興を考えるにあたっては短期の対策と長期の対策のバランスをとって考える必要があること、今後想定外への対応としては対策がうまくいかなかったときでも次の対策が準備されていること、いわゆるフェイル・セーフ-失敗しても安全-の考えが必要であり、想定以上への対応としては被害が出ても、もう一度元に戻れるための対策が準備されているべきで、この二つの観点から今の防災対策を検証することが必要との指摘がありました。

 人間とリスク、都市とリスクの関係についてはとかく人間は都市は安全という潜在意識を前提に考えていること、更に自分の都合のいいように考える「正常化の偏見」をもっていること、そのようなことを踏まえた上で自分の住んでいる街で起こる被害想定について共通認識を持ち、自助・共助・公助それぞれの限界を認識しつつ、リスクに対処する必要があること指摘されました。

最後に当地でのこれまでの活動を振り返り、今後とも進め方としては住民が先行し、行政がそれを後押ししていくことが望ましいこと、復興には抜本的な方策はなく、地域から発信して地域力で新しい仕組みを作ることが重要で、多数の団体・組織が連携して活動することが成功の鍵となるとの指摘で締めくくられました。

 その後会員から次のような質問がありました。首都直下型の地震があったときの東京湾での津波の規模は?(回答0.5m、東南海地震でも満潮時で2~3mで、5.1m防潮堤があり安全)、液状化による中川堤防の安全性は?(関東大震災級の地震には対応可能だが、阪神淡路級では課題を残す)、新小岩の辺りは液状化の可能性のありとの調査結果だったが、今回の地震では液状化しなかった理由は?湾岸の浦安あたりで液状化が起こった理由は?(土木研の東京都液状化マップについては目下再度見直し調査を行っている。浦安など海砂で埋め立てたところでは問題が発生)などです。


石川理事長の挨拶

 次いで評議員会に入り、冒頭青山明治大学院大学教授(元東京都副知事)からの祝電の披露がありました。更に議事に先立って、石川理事長から次のような挨拶がありました。

 今回の震災では「想定外」という言葉が多く言われているが、我々は昭和49年に既に「低地防災対策」として関東大震災を上回る想定外の地震に対処するために幅の広い堤防を提案しています。この為当NPOも堤防が壊れることを予想して防災訓練やワークショップを行ってきました。

 ただ、津波についてはこれまで検討してきませんでした。東京湾でのこれまでの想定は50cmほどだったが、今回の震災で1mを越えることが確認されています。津波のない平常水位でも、破堤すれば2mの段流となって市街に流れ込みます。この時水の押す力は静水の圧力(50cmの静水圧は1mの戸に対し125kg)の最大9倍(1ton)にもなります。この時の建物の耐久力は木造なら水深2mまで、ビルなら5mまで大丈夫。破堤時の水深は2mなので、木造でも流されることはありません。ところが多くの人はこの地域は極めて危険なところであるにも拘わらず、危険なところに住んでいるという意識もなければ、意識はあっても堤防に守られてこれが壊れるとは思っていません。

 そこで突然の破堤浸水から命を守るためには大きな揺れを感じたら一刻も早く「高所へ避難」することが必要です。その時近所の人に声をかけて避難すること、普段から逃げる場所(高台、3階以上のビル等)を決めておくことが必要です。その際ビルが壊れていたりするので、臨機応変の対応をとることが重要であり、「津波てんでんこ」の言葉通り、まずは命だけでも助かるように自主判断で自分勝手に避難することが必要です。的確な自主判断は正確な知識から生まれるもので、この為にも日ごろの防災教育が重要です。

 ところで、今年6月NPO支援法が改正され、NPOの寄付に対し税優遇措置が拡充されることになりました。寄付者の税金免除となる認定法人の資格取得は3,000円以上の寄付者が100人以上いる団体にまで拡大されたのです。我々もこの資格を得るために努力するので皆様のご協力をお願いします。


総会風景

 その後、議案の審議に入り、まず第1号議案、「22年度事業報告」と第2号議案「22年度決算」並びに「監査報告」の説明、報告がありました。事務局からは22年度は多くの活動を行ったが、そのうち主なものについては別途配布した街づくりニュースの22年版や別刷りの勉強会の緊急提言、井戸保存活動などに詳しいので、ご参照願いたいとの発言がありました。

 その後一般会員や地元の方からホームページでリアルタイムに活動を報告してほしいとか(可能な限り努力する)、勉強会では今回の大震災をどう取り上げていくのか(予想を越えたものについては検討するが、津波については直接は取り上げない)、これまでの活動で新小岩の人はいざという時の取り組みについてどんなことを教わったのか(東新小岩7丁目の市民消火隊の活動、江戸川区松島町会での堤防が切れたときどうするかの検討会実施)、ハザードマップがなくても助かる方法を検討しているというがその内容如何(1枚紙にその家ごとの浸水深や非常持ち出し品を記載)、アンケート調査の結果は(回収は会場で554枚、町会で1101枚、ハザ-ドマップがすぐ取り出せる人や浸水深の分かる人、避難先を知っている人は25~30%、区への要望としてもっと分かりやすいハザードマップを要求)、上平井中学での募金活動と今後継続的に行おうとしている活動は何か(生徒会が自主的に他の区内中学と連携して姉妹都市の飯館村の中学を支援、文化祭で学生による父兄に対する防災教育の実施を計画)など活発な質疑応答が繰り返され、多いに議場は盛り上がりました。


参加者からの質問に答える役員

 次いで今年度の活動を盛り込んだ第3号議案とそのための予算を組んだ第4号議案、役員の選任を提案する第5号議案の審議が行われ、いずれも原案通り承認されました。

 総会終了後恒例の懇談会も開催されましたが、予定時間を大幅に上回るほどもり上がるうちに終了しました。

 今年度も引き続き開催される勉強会や「新しい公共の場づくりのためのモデル事業」への応募など、活発に活動を続けて参ります。引き続き皆様の温かいご支援をお願い申し上げます。(事務局・宇賀)

 

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