活動の年次記録

足立区・新田見学会

平成16年3月23日

 都市公団と一体でスーパー堤防上に3000戸の街を

足立区新田地区に"東京川の手"街づくりを見る


新田地区の模型を前に説明を受ける

 3月23日、足立区新田地区で国土交通省、東京都、都市公団が一体となって行なっている「荒川及び隅田川高規格堤防整備事業」と「住宅市街地総合整備総合支援事業」の見学会が行なわれた。参加人員は17名。
 荒川と隅田川にはさまれた中ノ島たる足立区新田地区では現在2,200世帯、3,500人の人々が住んでいるが、このうち環状7号線の南東側、65.7haの地区が住宅市街地整備総合支援事業整備地区の対象となっており、次のような整備の基本方針に沿って整備事業が進められている。

(1)足立区と北区を結ぶ都市計画道路の整備
(2)都市計画公園を整備して、小・中学校校庭と共に防災広場に
(3)既存の小・中学校を地区内に移転・拡張整備
(4)スーパー堤防建設にあわせその上にリーバーフロント市街地を創設
(5)地区内に下水ポンプ場、消防訓練施設用地を確保

 その第一歩として同計画区域東端のトーアスティール工場移転跡地を利用して平成10年度から荒川側、13年度から隅田川側でスーパー堤防の建設が進められている。その結果、荒川側は既に延長600mにわたって30hのスーパー堤防が建設され、その上に都市公団により第1期360戸、第2期206戸の賃貸住宅が建設され、第1期分については入居が始まっていた。さらに、隅田川側の堤防も16年度中には完成、最終的には3000戸の住居、公園、小・中学校が建設される予定となっている。この住宅のうち7割は定期借地権を都市公団から取得した民間資本によって自主的に事業が進められることになっている。又、隅田川沿いでは一部分譲住宅の建設も予定されている。勿論商業施設も建設されることになっており、その核となるスーパーマーケットも16年4月開店を目指して工事が進んでいた。
 ところで都市公団によって先行・建設された賃貸住宅は公団住宅としては初めて「環境共生住宅団地」として認定を受けており、街と川を結ぶ緑の樹林、屋上緑化、太陽光発電、モニュメント風車、雨水を利用したバードバスなど環境への配慮の行き届いた施設を備えていた。また、堤防側には荒川五色桜を街路樹として植えるなど桜の名所復活をも目指している。
しかしながら、工場跡地以外の地域は既に何棟かの中層マンションを含め、戸建住居がびっしりと建っており、当面は一部道路の付け替えによる市街地整備は行なわれるとしてもスーパー堤防建設は容易ではないと思われる。


スーパー堤防上で説明を受ける

 当日行なわれた主なる質疑応答は次の通り。

質問. 定期借地権上に建てられる住居はPFIで行われるのか。
回答. PFIではなく、純然たる民間の事業として行なわれる。

質問. 工場跡地以外の土地でのスーパー堤防建設は既に計画が固まっているのか。
回答. 足立区で検討することになっているが、まだ一部幹線道路の付け替え計画以外は固まっていないように思われる。

質問. 工場跡地に土壌汚染はなかったのか。あったとすればどのように処理されたのか。
回答. いくつかあったが全て売主側で事前に処理された。今やすべての条例に適合した状態となっている。

質問. 「環境共生住宅団地」としての認定を受け、省エネ対策がとられているとのことだが、どのぐらい効果があったのか定量的に把握できているのか。
回答. 定量的には把握していない。

以上

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