活動の年次記録

出前授業「親子で語り継ぐ大水害時の避難について」

 
平成27年度前期葛飾区地域活動団体助成事業
「親子で語り継ぐ大水害時の避難について」上平井小学校第4学年出前授業
 
場所: 上平井小学校家庭科教室出前授業報告   
日時: 平成27年11月24日(火)9:35~10:20
講師: 中川東新小岩七丁目町会長(当NPO理事)
    塩崎由人東京大学院博士課程
 
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4年生が集まった家庭科教室には、外部講師を迎えるためか或いは暖房の無い寒さのせいかひっそりした空気が漂っていた。
 
学年主任の先生が中川町会長さん、塩崎さん両講師を紹介し、中川町会長さんは開口一番「おっす!」と、二度三度声掛けをするものの生徒達は吃驚、呆気にとられ返事の声すら出せなかった。
 
講師は、「私はここの卒業生で皆と同じ頃、この近くの教室で教わった先輩だから仲間同士の挨拶をしました。」と型破りの自己紹介で一挙に緊張がほぐれた。
 
そして、6年生だった戦後まもない頃、関東地方を襲った「カスリーン台風」の時、どのように避難生活を送ったかを昨日のことのように話し聞かせた。
 
軒下まで水に浸かり、多くの家族が屋根や堤防で何週間も生活し、自分は上平井橋までボートで水やパンを受け取りに行ったこと、出産間際の人が何時産まれるか子供心に心配だったことなどの話しに、初めは半信半疑な様子を示していた生徒達も次第に引き込まれて行った。
 
 頃合いを見計らって講師は大水が身近に迫った時、皆さんは区役所からの指示があり
ますからそれに従って下さい。
 
 逃げる間がないときは2階以上の高い所へ逃げ、町会や消防団の人が助けに来るまでじっとして居て下さい。
 
 又、逃げる時は皆さん4年生ですから、自分だけでなく小さな子供や、お年寄り或いは体の不自由な人達を引張って逃げて下さい。と激励と御願いをして話を終えられた。
 
 
 次いで、塩崎講師が、「私は、中川町会長さんと一緒に街の水害について勉強していますが、水は危険だけでなく良い面もあります。」と切り出し、早速生徒へ「皆さん!ゼロメートル地帯って知ってる?」と質問を始めた。
 
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 若い講師に親しみを覚えた生徒達は大半が「知ってます。」と答え、次の「中川水面の方が高いことを知ってる?」の問いにも殆どが「知ってる。」と答えた。
 
 ただ、「何故ゼロメートル地帯になったかを知ってる?」には 例えば、新しい川を作ったから、大地震や超大型台風が来たから、大雨が降って周りの川の水面が低くなったから等々様々な答えが返って来た。
 
 ここで講師は中川町会長さんに「地盤が下がったことに何時気付きましたか?」と問い掛けると、会長さんは、「江戸川区役所入口の階段が継ぎ足されているので地盤沈下に始めて気付きました。」の答えが返って来、お二人の息がぴたりと合った。
 
 地盤沈下で低くなった葛飾区は一旦堤防が切れると、一か月近く水が引かない例をアメリカのハリケーン「カトリーナ」で示し、区内の電柱に貼ってある赤い印が、ハザードマップに関係していることや、スマートホンに防災アプリ『天才まなぶ君』をインストールして自分が居る場所の浸水深さを知って下さい等と語り掛けた。
 
 本題の『水害と川の恵み』では、地元町会が活発に避難訓練に取組んでいる様子や、川が生活に溶け込み、水と人々が一体となっている世界各地を画面で紹介しながら、川が脅威と癒される存在であることを考えて欲しいの言葉で結びとした。
 生徒達は先輩の中川町会長さんに敬意の握手を代わる代わる求め、若い塩崎講師には盛大な拍手を送って本授業を終了した。
 最後に、いろいろ準備して頂いた田辺校長先生、土屋副校長先生はじめ上平井小学校4学年担任の先生方に心から御礼申上げます。
有難う御座いました。
 
ア!安全・快適街づくり  増澤
 
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