総会・評議会の記録

平成22年度総会

平成22年6月1日

平成22年度総会盛況裡に終了!

~今年度の活動方針等を巡り活発な討議~

 平成22年度の定時総会は5月20日、14時から大成化工株式会社厚生棟で、評議員会、理事会に引き続き、地元の皆さんも大勢参加して開催されました。


国土交通省・高橋友昭氏の講演

 今回は開会に先立ち、ゲストとしてお招きした国土交通省、都市・地域整備局、都市・地域安全課 企画専門官の高橋友昭様より「震災に強いまちづくり(安全・安心まちづくり)」と題する講演がありました。
 この講演は平成20年9月に設置された「安全・安心まちづくり小委員会」の中間とりまとめを紹介するもので、自然災害のリスクが高まり、人口減少の進展を踏まえたうえで、安全・安心のまちづくりを進めるためにはどうしたらよいか、その政策の方向性を打ち出そうとするものです。中間とりまとめでは、通り組むべき政策として(1)まずまちづくりに向けたリスク情報を充実させ、これを周知させること(2)そのリスク情報を活用し、どこが防災上危険が高いかを調べそれを克服した都市の将来像を検討すること、(3)将来像を踏まえた都市構造を実現する方向に街づくりを誘導すること、(4)企業・住民など地域における共助の取り組みを推進し、地域力による安全性の向上を図ること、そのためには災害のリスクを小さくするために土地の使用方法を工夫するとか、将来像を踏まえた公共設備の整備・維持・管理を図ることや、地域の安全性向上のために民間施設の活用を図ることが必要とのことで、今後さらに検討を重ね具体的な提言を行うとのことです。


総会参加者

 次いで評議員会に入り、冒頭青山明治大学院大学教授(元東京都副知事)からの祝電の披露がありました。更に議事に先立って、石川理事長から今年度一番やりたいと考えている活動として、「葛飾区新小岩西3丁目周辺地域をモデルにした安全・快適街づくり勉強会」の立ち上げについて説明がありました。
 この勉強会を行うことにしたのは「地域主権」主義の高まりに先行して宣言された「地域の問題は地域で決め、地域で実施しよう」という新小岩宣言を実行に移す一歩にもなり、かつまた、「新しい公共」という概念の台頭に際し、地元の役割は何かを考えることにもなるからです。
 幸い葛飾区の賛同も得て当NPOも勉強会の共同の事務局となり、地元・行政・研究者などの専門家の参加を得て第1回の会合が5月21日に行われることになりました。
 ところで、この勉強会の課題は(1)この地域が水害に弱い街であることを認識すること、(2)原因は揚水規制の遅れに伴う地盤沈下であること、(3)水害に強い街とは何かを考えることです。具体的には松戸市等への避難するには高齢者・障害者にとっては困難なので、これに代わって突発的な浸水に際しては身近な緊急避難場所を設ける必要があること、避難活動対策の指針を定め、町会・消防団・PTA・学童生徒の役割と連携方法を定めておく必要があること、川と共生できる街こそ水害に強い街なのではないか等につき検討することです。その上で、地元の皆さんが自分たちが住みたい街のイメージを描く為に必要な事項を整理し、そのイメージを「東京都のしゃれた町並みづくり推進条例」を利用して区の計画審議会に提案することを最終目標にしています。
 さらに「新しい公共」としてのNPOを育てるために、地元の皆さんが寄付金税制の改正要望書を提出し、NPOに対しても「ふるさと納税」のようなことが出来るように働きかけていただきたいと考えているとの発言がありました。


当会員・伊東春海氏の発言

 その後、議案の審議に入り、まず第1号議案、「21年度事業報告」と第2号議案「21年度決算」(含む特別会計決算)並びに「監査報告」の説明、報告がありました。このとき事務局より第2号議案の決算数値には誤りはないが、対比のために掲げた予算の数値に一部誤りがあるので訂正していただきたいとして差し替え文書の配布があり、この差し替え文書をもって本件は承認されました。(差し替え文書は当日欠席の方には同封にてお送りいたします)

 引き続き、第3号議案「22年度事業計画」及び第4号議案「22年度収支予算」についての説明があり、これは原案通り承認されました。

 この間一般会員や地元の方から本NPOは多くの有益な活動を行ってきており、その成果は他の参考にもなるので過去の活動をまとめた本を出せないかといった要望、底力と防災活動の違いは何か、新しい助成金を得るためにどのように取り組んでいくのか、避難訓練に参加することで災害弱者を手助けする人の必要性を痛感したが、どうしたら手助けできる人を増やせるのか、葛飾区では当NPOの活動に参加することで避難訓練などよい経験をすることが出来たが、同じような環境にある江戸川区ではどのような活動をしようとしているのか、この会場にも多くのパネルが展示されているが、もっと多くのの人に見てもらうのが良いのではないか、協働事業ではどのようなことを考えているのか、勉強会に区は事務局としてどのように運営していこうと考えているのか、要望活動の具体的内容はどのようなものか、などの質問があり、熱心な質疑応答が行われました。


会場の参加者からの質問

 最後に、加藤先生から事業計画について今後さらに国際的な展開を行ったらどうかと考えていたやさき、外務省の外郭団体たる国際交流基金から6月23日に東アジアの次の世代の防災を担う35歳未満の若者20名が東京都の水害対策について勉強に来るので何か受け入れ可能なプランはないかとのメールがきたので、当地を訪れパネルを見てもらったり、当地の活動について紹介したりしては如何との提案をしたいがとの発言があり、早速前向きに受け入れる旨返事してもらうことになりました。

 最後に第5号議案「役員の選任」が上程されこれも原案通り承認され、総会は終了しました。ここで特筆すべきことは、長年悲願だった地元から3名の町会長の方が理事に就任いただくことになったことです。これも当NPOの活動が地元の方にも十分理解され、積極的に受け入れてられてきた証しといえると思います。

 総会終了後恒例の懇談会も開催されましたが、予定時間を大幅に上回るほどもり上がるうちに終了しました。

 今年度も6月27日に新小岩地区センターで開かれるシンポジウムを皮切りに、先にふれた勉強会の開催や、河川環境管理財団から助成金を受けて広域ゼロメートル市街地研究会が実施する活動への協力など、活動計画は目白押しです。どうか皆様も引き続き当NPOの活動をご支援くださるようお願いします。(事務局・宇賀)

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