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総会・評議会の記録

27年度総会盛況理に終了

-恒例の講演は国立極地研究所准教授、岡田雅樹氏が講演、

南極越冬の経験を踏まえて観測隊の防災対策を披露-

 

 当NPOの平成27年度総会は6月28日、日曜日に新小岩北地区センター・ホールで開催されました。恒例の講演は国立極地研究所准教授でオーロラの研究をされている岡田雅樹様の「南極の自然と観測隊の防災対策に学ぶ」と題する講演でした。当日は梅雨の晴れ間で午後には真夏日となりましたが、今年の春まで地元二上小のPTA会長も務められ、地元の皆さんにも顔を知られた講師が南極越冬の経験をお話になるとあって、多くの方が来場し熱心に聞き入っていました。その後評議員会、理事会に引き続き総会が行われ、活発な質疑が行われた後、予定された議案は全て提案通り承認されました。

 

 岡田氏は講演で6年前に49次観測隊の一員としてオーロラの観測のため昭和基地に1年にわたり滞在したこと、昨年には55次観測隊の別働隊として地学班に加わり、スノーモービルに乗って移動しながら1ヵ月間観測を行うという短期出張も行ったこと、オーロラの観測は人工衛星や電波を使って観測を行うこと、昭和基地はオーロラ帯オーバル内に位置し、オーロラの観測に最適なロケーションにあることなどに触れた後、今回の講演のメインテーマである観測隊の防災対策について次のようにお話になりました。

 

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「安全管理を考えるうえで重要なことは自然現象を理解することです。南極の気温は高いときで-5度、一番低いときで―35度です。南極では地震も雷もありませんが、年間を通じて湿度は30%以下で、乾燥しているため火事になりやすいことと、ブリザードになると風速45m/secの強風が吹き、視界が極端に悪くなります。おまけにブリザードは1週間も続くことがざらです。このため、火事に対する備えとブリザードに対する備えが最重要事項となります。まず、ブリザードが来るとなったら、直ちに居住棟に戻り、総員点呼、外出は一切禁止となります。万一、居住棟以外にいてブリザードの襲来に気付かないと一週間も孤立してしまうので、各人は常時無線を持っており、緊急の連絡を受けられるようになっています。また、屋外観測点や他の観測棟と居住棟の間にはロープを張ってあり、これを伝って移動することが方角を見失わないために必要なことです。なお、天候に関係なく夕食事には必ず点呼を行い、全員がそろわないと食事もとれないようになっています。

 

この他屋外での訓練としては2人1組・テントに1泊のビバーク訓練や、万一クレバスなどに転落した時ロープをよじ登っての脱出訓練、負傷者の救出訓練、消火器を使っての消火訓練などが行われています。消火器訓練は夏季に5日、冬季に5日行われ、万一建物などが火事になったら類焼を防ぐためその建物の破壊訓練も行われます。この他怖いのは停電で、4時間も続けばすべての配管が凍結してしまうので、早急な復旧作業を行うことも重要な役割となっています。

 

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これら安全対策のための訓練書は代々順送りで観測隊から次の観測隊に引き継がれ見直されていること、ヒヤリハット集も順送りで整備され、過去の未遂の事故に学ぶことも大切なこととされています。もちろん、観測隊の本業はそれぞれの分野における観測作業であることは言を待ちませんが、少ない人数の越冬メンバー一人ひとりが安全管理に心掛けることで全員が無事に越冬生活を送り、所期の目的をはたすことが出来るわけで、全員参加で防災訓練に努力している次第です。

 

皆さんの日頃の防災活動にもお役に立つ事もあるかと思いおはなしさせていただきました。」

 

講演終了後、なぜ昭和基地はオーロラの観測に最適なのか(オーロラは南極・北極で見られるが、南極の全地域で見られるわけではなく、オーロラ帯オーバルで見られ、昭和基地はたまたまその中心にあったため)、南極では生野菜など食べられないものが多いのでは(食料は日本から輸送され、一人当たり年1トンの食糧が必要になる。ただ生野菜は保存がむつかしく1ヶ月で品切れとなるし、 牛乳は3ヶ月、全卵たまごも日持ちしない。近年はLEDでレタスなどを室内で栽培するようになった)、温暖化の影響は如何(確かに影響は現れており、西南極[チリ側]では100年に3度、東南極[昭和基地側]では1度の温度上昇が見られるとの報告もある)防災対策の情報交換はどう行われているのか(基地内では隊員全体が集まって意見交換をしており、世界的には他基地での事故情報や交通路についての情報交換などが随時行われている)、などの活発な質疑応答もあって時間を延長しての講演となりました。

 

次いで評議員会・理事会・総会が行われました。

 今年も理事で東新小岩5丁目町会長の青柳氏が司会を務め、冒頭に青山元東京都副知事からの祝辞を紹介した後、東新小岩七丁目町会副会長の百瀬氏が評議員会の議長に指名されました。議長の要請で石川理事長が挨拶に立ち、設立以来の歩みを振り返ると共に、これから実施しようとしている活動について次のような話がありました。

 

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「NPOを立ち上げた時私達が地域の一員となるため、水位表示板の設置や、葛西臨海公園でのボートを使った避難訓練、河川のもたらす恵みを理解してもらうための温度測定など身近な問題に取り組むことで活動を始めました。その後この地域で水害が起こった時の危険性を認識していただくためにワークショップや、小中学校での防災に関する出前授業の実施、地域の各分野の皆さんに参加してもらい自由に討議する輪中会議の開催などを実施してきました。これらの事業は町会長さんにも参加していただいている毎月の事務局会議で討議して決めたものです。最近では東京都都市づくり公社の支援を受けて西新小岩三丁目の有志の皆さんがおこなっている勉強会を支援しながら、地元のお祭りや盆踊りにも参加して町会の一員になろうと努めています。

 

今後も勉強会や輪中会議、小中学校での出前講座は引き続き実施して参りますし、東大メンバーを中心とした広域ゼロメートル市街地研究会の指導のもと、地元中学生の皆さんに「わたしののすきなまち」をテーマに議論して取りまとめてもらおうと準備を進めています。今後も「地域と共に活動を」をモットーに活動を続けていきますので、地域の皆さんにもNPOの会員となっていただき、ともに進んでいきたいと考えています。」

 

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 「理事長からこれまでの活動や今後の取り組みについて話があったので、議案の審議に先立ち、会場の皆さんからNPOの活動に対するご意見や質問などを伺いたい」との議長の発言があり、出席者との意見交換、質疑応答が行われました。この間に提起された質問とそれに対する回答を要約すると次の通りです。

 

質問1:

来年地元の中学生に「わたしのすきなまち」を描いてもらおうとの企画があるとのことですが、どのような企画なのでしょうか。 
回答 :企画についてはむしろ皆さんとの話し合いによって固めていくつもりですが、防災をも含めてまちのこと考えてもらおうと思っています。企画はこちらから押し付けるのではなく実際に作成に当たる中学生たちと議論しながらまとめるようにしていく予定です。
 
質問2:
NPOの活動が評価されて昨年総務大臣賞や土木学会の市民普請記念賞を受賞したと聞きましたが、もう少し詳しく教えてください。
回答:
 「防災街づくり大賞」総務大臣賞は新小岩北地区連合町会と「葛飾区新小岩北地区ゼロメートル市街地協議会」とが共同で受賞しました。この賞は防災に関し優れた取り組みをおこない、災害に強い安心・安全なまちづくりに成果を上げている団体に授与されるもので、昨年は6団体が受賞しました。受賞メンバーの「葛飾区新小岩北地区ゼロメートル市街地協議会」というのは当NPO、が、葛飾区、新小岩北地区連合町会、広域ゼロメートル市街地研究会、NPO日本都市計画家協会と共同で平成23年に設立した会で、葛飾区と共に当NPOが事務局を務めています。
土木学会からは市民普請記念の助成金を受けました。この助成金を使って東新小岩7丁目町会が試験的に実施して好評だった、災害発生時に赤旗・白旗を使って救助の要否を判別する取り組みを更に拡げようと準備を進めています。
 
質問3: 
NPOの活動も地域と密着して行われて効果が上がると考えますが、このほど地元の町会・自治会が会員になると聞きました。町会の協力を得るのは大変だったのでしょうか。
回答: 
理事になっていただいている町会長さんには事務局会議にもご都合がつく限り出ていただいていますが、まずは事務局会議に出席された鈴木、中川両理事のご賛同を得た上で町山連合町会長にご相談し、町会が会員になるのは結構なことだが町会長会議の場を利用して各町会長・自治会長に説明するようアドバイスを得ました。その上で2回にわたり説明し、お願いをして全町会長・自治会長の賛同を得ました。その会議の際には八代、青柳両理事からも強力な支持を頂きました。
    なお、会員数の違いも考慮して自治会の会費は町会の半額にすること、入会金は個人会員並にゼロにするなど入会しやすい条件としました。本件は第5号議案で定款の一部改正を行う旨ご提案しております。
 
質問4 :
今年の街づくりニュースの表紙には多くの写真が載っていますが、何の写真で選んだ理由は何ですか。 
回答: 
表表紙の書は理事長の中川を称える書で、写真は区から提供を受けた夕日に映える中川から見たスカイツリーや富士の写真です。裏表紙の写真は中川とパリのセーヌ川やアムステルダムの運河の写真を対比して、中川ももう少し川沿いのテラスを整備すればセーヌ川に比しても遜色なくなるのではと訴えてみたものです。
 
質問5:
西新小岩3丁目有志の勉強会には最近芝浦工大の学生さんも参加していますが、街づくりの対する学生さんの関心はいかがですか。また、来年の企画にある中学生による「わたしのすきなまち」のとりまとめにも参加したら如何ですか。 
回答 :
勉強会には二人の学生が参加しています。生憎今日は二人とも公務員試験受験で欠席していますが、大学の講義だけでなく現場のことも勉強したいということで参加したもので、彼らの学習に役に立っていると思います。
   「わたしのすきなまち」取りまとめにも参加したらよいと思いますが、理想の街を描くのは大変むつかしいことです。枠をはめてかかるのか、自由に描いてもらうのか、場所も新小岩地域に限るのか、それとも空想の街とするのか、人目線で描くのか、鳥の目で描くのかなどどのような視点でまとめるのか事前に十分議論した上で取り掛かる必要があると思います。
 
質問6:
本日お招きにより伺った新小岩北地域まちづくり協議会会長の三矢です。 30余年にわたり活動を続けてきた私どもの団体には本日出席の多くの町会長さんにも参加いただいており、新小岩をどんな街にするか話し合った結果、まずは工場移転の跡地を利用して公園を作るなど基盤整備を行ってきました。ただ、中川と新中川に囲まれた新小岩北地域には7万8千人以上の方が住んでおり、この方々の命を守り安全に暮らしていただくためには何といっても防災が重要課題であり、災害に強い安全・安心な街とすることが必要です。そのために皆さま方の知恵も貸していただき、勉強の成果も教えていただきたいと思います。宜しくお願いします。
回答 :
西新小岩三丁目有志による勉強会は平成25年10月から水害時の避難用高台整備を主題として開催してきました。現在NPOのメンバーも加えて15,6名が参加して、月1回のペースで開催しています。西新小岩3丁目は所謂ゼロメートル地帯で、水害が発生した場合には一時避難はどこにするのか、更にその後の避難はどこにどうしたらよいのか、わからないことも多くNPOの方からいただいた資料などを見て勉強をしてきました。その結果町会の防災体制や区の水防計画の課題が明確になり、町会の防災体制の拡充や区の水防計画の見直しのための提案を行うほか、河川防災ステーションに整備される施設に対する提案を検討する等、出来るものから一つひとつ着実に進めていきたいと思っています。
ただ河川水防ステーション整備への地元提案をまとめるには西新小岩3丁目だけではなく、新小岩公園近隣の他町会を含む広域的な連携が必要です。今後は輪中会議等を活用して近隣の町会、葛飾区、東京都、荒川下流河川事務所とよりいっそう連携を図っていく所存です。
 
質問7: 
昨年も質問しましたがポンプ場から新小岩公園の西側の資材置き場になっている土地は都の所有地であり、高規格堤防の建設をする際最大の問題点である用地の買収や居住者の移転といった問題がなく、ただちに建設に着工できる土地です。いまだ着工されないのは何が障害になっているのでしょうか。
回答 :
この区画の高規格堤防の建設にとって目下問題になっているのは蔵前橋通りと堤防道路との交差をどのようにするか決まっていないことです。目下関係者間で話し合いがおこなわれている段階で、区としても早く結論を出していただき、高規格堤防が建設されることを願っています。
 
質問8:
今年の「全国まちづくり会議in東京」はどこで行われ、どのようなことをテーマに行われるのですか。また、来年はどこで開催する予定ですか。
回答: 
今年は加藤先生の研究室のある東京大学生産技術研究所で開催されますが、東京オリンピックとまちづくりがテーマとなる予定です。また。日韓まちづくりフォーラムを開催することも考えています。なお、出展料を従来の十分の一の1,000円としたので、多くの団体に参加していただきたいと思っています。来年は高岡市で開催するべく目下市当局と話し合っているところです。
 
質問9:
「天さいまなぶくん」って何ですか。
回答 :
「天さいまなぶくん」とはスマホなどにインストールしてあなたの住む街が浸水した時の状況を疑似体験できるアプリです。総会終了後に実機を使って説明をしたいと思います。
 

 

総会終了後40名余りの方が参加してささやかな懇親会を開催しました。地元の皆さんも多く参加され、なごやかな懇談のうちに6時過ぎに散会となりました。今年も外部から大きな助成金を受ける予定はありませんが、「輪中会議」の開催や勉強会の支援を継続的に実施すると共に、来年実施予定の「わたしのすきなまち」プロジェクトの準備を着実に進める予定です。皆様方の一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

以上

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