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総会・評議会の記録

平成29年度定期総会盛会裡に終了

平成29年度定期総会盛会裡に終了

-講演は地域活動家の澤村英仁氏、演題は「新金線ってなあに」-

 

当NPOの平成29年度定期総会は6月25日、日曜日に新小岩北地区センター・ホールで開催されました。恒例となった講演は葛飾区の地域活動家の澤村英仁氏による「新金線ってなあに」と題する講演でした。青木区長の新金線を利用して区の南北の交通の便を向上させたいとの意向もあって、多くの方が来場し会場は満員の盛況でした。その後評議員会、理事会に引き続き総会が行われ、活発な質疑が行われた後、予定された議案は全て提案通り承認されました。

 

澤村氏講演の要旨は次の通りです。

新小岩駅の開業に先立ち貨物の操作場として大正15年7月に開設された新金線はトラック輸送の台頭により昭和45年をピークに鉄道輸送が衰退したため、昭和59年2月に操車場としては廃止され、新小岩と金町間の直行輸送のみに切り替えられ、現在は1日4往復の貨物輸送のみが行われています。平成18年に「新金線の旅客化」が検討されましたが、国道6号線との立体交差化が必要なこと、現在の貨物輸送との併存が前提となりダイヤ編成がむつかしいこと、事業の採算性にも問題があることから立ち消えとなっています。

 

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旅客化するには複線用に確保されている既存路線用地を利用し、ここに普通鉄道や軌道方式のLRT(次世代型路面電車)、専用バスを走らせるなどが考えられますが、国道6号線との立体交差化の問題や採算性をクリアする必要があることなどの問題は依然として残ります。ただ新小岩北地区の皆さんが考えている緊急時の市川、松戸への広域避難への利用については現状では新小岩駅から新金線へは入れないため直ちには実現しませんが、配線変更をし、仮設ホームを設けさえすれば、旅客化されていなくても実現可能になるとのことです。澤村さんはこれを「ノアの方舟」号と命名していましたが、大規模・広域避難をを可能とする手段の一つとして是非とも実現させてほしいものです。

 

次いで評議員会・理事会・総会が行われました。

 今年も理事で東新小岩五丁目町会長の青柳氏が司会を務めました。冒頭に青山元東京都副知事からの祝辞が紹介された後、来賓として出席された荒川下流河川事務所の中須賀淳所長の挨拶がありました。

中須賀荒川下流河川事務所長の挨拶は次の通りです。

近年は気候変動により想定外の豪雨で、一昨年は関東北部、昨年は北海道で洪水による被害が発生しました。国土交通省としてはこのような豪雨に備えて堤防の強化などの対策を講じていますが、東日本大震災の例を引くまでもなく自然は想定外の力により大災害を引き起こすことも考えられるので、皆さん方も常日頃からそんな事態への対処法を考えておいていただきたい。7月18日には「水災害シンポジウムin荒川~水災害に備える~」を開催するので、多くの方にご来場いただきたい。

 

次いで評議員会に入り、東新小岩七丁目の民生委員の竹本評議員が評議員会の議長に指名されました。議長の要請で成戸理事長が挨拶に立ち次のような挨拶がありました。

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成戸理事長の挨拶は次の通りです。

当NPOは設立が平成14年、今年度が15年の節目の年になります。27年度には創立以来その発展に多大の貢献をされた石川前理事長、徳倉元副理事長、鈴木前西新小岩三丁目町会長の三氏が相次いで逝去されました。そこで「三氏を語る会を」昨年11月20日に開催したところ、多くの方が出席いただき三氏を偲ぶと共に地域のこれからについてお話ししてくださいました。厚く御礼申し上げます。また、今年の5月には石川前理事長が河川功労者として(公社)日本河川協会から表彰を受けました。これは松田日本河川協会副会長のご推挙があり、葛飾区から申請して頂いた結果で、これについても御礼申し上げます。この他、今年3月には葛飾区新小岩北地区ゼロメートル市街協議会が葛飾区から葛飾協働街づくりで表彰されました。これも協議会の皆さんの日頃の努力が評価されたものとして喜びに堪えません。

 

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さて、今年は創立15周年の節目の年なので記念の行事を行うことにしました。丁度この地域に大きな被害をたらしたカスリーン台風の襲来から70年とのことなので「災害から学ぶ~カスリーン台風70年の節目の年に~」と題するシンポジウムを9月18日、男女平等推進センターで開催することにいたしました。内容は2部構成で、第一部「カスリーン台風の記憶と経験の共有」、第二部「『浸水』から『親水』へ」ということで行うことを考えています。詳細については現在鋭意詰めているところですが、洪水に備えて対策を考えるだけではなく、川に親しむことも必要との考えから第2部のタイトルを決定しました。東京都は現在「都市づくりのグランドデザイン」を取りまとめ中です。この中で「水辺を楽しめる都市空間を創出する」として「開発の機会等をとらえ、水辺沿いのオープンスぺースとともに賑わい施設を誘導するなど、移動性や回遊性の高い親水拠点形成を図ります」と水辺に顔を向けた街づくりの推進を掲げています。この動きに対応して親水型市街地化を図っていきたいと考えています。

 

次いで議案審議に入り、第1号議案「平成28年度活動結果」、第2号議案「平成28年度活動計算書」と監査報告、第3号議案「平成29年度活動計画」、第4号議案「平成29年度活動予算」、第5号議案「平成30年度活動計画」、第6号議案「平成30年度活動予算」、第7号議案「定款の一部改正」、第8号議案「役員の選任」が上程され、夫々議案説明と質疑応答の後、提案通り承認されました。今回平成29年度と30年度の活動計画と活動予算が上程されたのは、第7号議案で上程された「定款の一部改正」が定款の目的や事業の種類が改正されるためです。この改正は字句の改定であり、活動の実態については何ら変わるものではないことを申し添えます。

なお、今回の総会で行われた質疑応答の内容は次の通りです。

 

 

質問 1→出前授業についてその実施方法を将来的にどのようにするかを検討しているとのことだが、具体的にどのようなことを考えているのか。

回答  →出前授業は2011年から行ってきた。最初はこの地域のおかれている水害の危険性について注意を喚起すると共に、危ないだけではなく水に親しむ空間もあることも話してきた。2年ほど前からは地元の方にも講師陣に参加していただき、カスリーン台風での災害経験談や地域の防災対策、ボート訓練の話などもしていただくことで内容の充実を図ってきた。今後の方向として、小学生で出前授業を受けた子のうち関心の高い子が中学の部活で更に地域防災に関する知識と関心を高め、高校生、大学生として再び地域に戻ってきて地域防災活動に参加してもらえるようにするにはどうしたら良いかを考えている。地域の皆さんにも出前授業の在り方について一緒に考えていただきたい。

 

質問 2→輪中会議も10回を重ねて参加者の幅も広がり、内容も寿実してきているとのことだが、前回の会議のテーマの「新たな経験を共有し、水害リスクと賢く共生」するためにはどうしたら良いのか、また、親水都市とはどのようなことを考えているのか。

回答  →理想像はまだはっきりしていないが、輪中会議を始めてから7年、その前のワークショップを開催してからは10年以上になるので、少しはおぼろげながら見えてきたようにも思う。そのなかで皆さんのやっているボート訓練や上平井中学の部活などヒントになるものはいくつか出てきており、これがたくさん集まってくると自ずと未来が見えてくると思う。今現在正解はないので今後も輪中会議の場で意見交換をしていきたい。

 

質問 3→先ほどカスリーン台風襲来70年の節目の年になるのでシンポジウムを開催するとの話があったが、どのような内容のものを考えているのか、

回答  →先ほどの理事長の挨拶にあった通り開催日は9月18日、会場は男女平等推進センター、2部構成にして第1部の「カスリーン台風の記憶と経験の共有」ではカスリーン台風の全容や区内の被害の状況などについて報告があり、第2部では「『浸水』から『親水』へ」のテーマのもと、浸水に対応した親水も可能な都市への展開について議論する予定だが、まだ詳細は決まっていない。決まり次第ホームページにアップするので今しばらくお待ちいただきたい。

 

質問 4→大規模広域避難について内閣府が葛飾区や大学と一緒に新小岩七丁目町会でアンケート調査やその結果を受けてのヒアリング調査も行っていると聞いたがその内容について知りたい。その結果は他の町会の参考になるのではないか。

回答  →内閣府は中央防災会議の作業部会として大規模広域避難について検討を行っている。江東5区のゼロメートル地帯には250万人の方が住んでおり、この地域が水害に襲われたときには浸水区域が広いうえに、2週間以上浸水状態が続くと考えられる。そのため広域避難が行われるが、多くの人が考えている東部への避難は橋が限られているため、大混雑を起こし、将棋倒しの事故を起こす可能性や、人間の滞留による避難の大渋滞・遅延を引き起こすことが予想される。

従来行政の行う検討は机上の検討が多かったが、今回は町会レベルまで下げてモデル地区として新小岩七丁目でアンケート行い、どのぐらいの人が避難するのか、浸水を免れる住宅、マンションの居住者でそこに留まる人はどのぐらいか、身体的理由で避難することができない人はどのくらいるのかなどを調べた。アンケート段階では自宅に留まる人がかなり多かったが、その後のヒアリングで浸水は2週間以上続き、この間ライフラインが断たれることが判明すると、殆んどの人が最初から避難することを選択することが判明した。この結果を江東5区の避難推進協議会に伝えて、5区での検討に役立てていただきたいと考えている。

 

質問  →区の意見も聞きたい。

回答  →江東5区では避難推進協議会を設立し、広域避難について検討している。内閣府は国の立場から全体的な考え方を打ち出すのに対し、5区ではそれを受けて国の考え方が本当に実行できるのかを検証するべく役割分担を決めて検討を進めている。ただ5区でも地域によって状況が異なるので、東新小岩七丁目以外の地域でどのような意識をもって避難の問題がとらえられているのかを調べていきたいと考えている。勿論、このような大規模水害による広域避難を行わなければならない事態は明日にも起こらないとも限らないので、荒川下流河川事務所や気象庁の支援もいただいてそういう事態になったらどういう形で地域住民に避難について伝えて避難してもらうのか、台風シーズンの到来前に一定の答えを出すように5区として努力しているところである。

 

質問 5→上平井中の防災ボランティア部の去年の活動はどのようなものだったか。

回答  →去年は夏休みにボート乗船体験とか、本所防災館などの防災関係施設を見学する等の活動を行った。その他街歩きを行い、調べた結果を学芸発表会で発表した。目下地域の防災マップを取りまとめ中だが、単なる浸水地域の表示だけではなく、地域の災害の歴史なども織り込んでいく予定である。作成途中までのマップは街づくりニュースに掲載されているので参照願いたい。

 

質問 6.→西新小岩三丁目の有志の皆さんは勉強会の成果として区にどんな提言を行ったのか、それに対する区の回答はどんなものだったか知りたい。

回答  →昨年3月15日に2年半ほど勉強した成果として、水害時に避難できる高台などの整備を求める提言を葛飾区に行い、昨年9月に葛飾区から回答をいただいた。提言は①新小岩北地域の輪中化の方策、②新小岩中学の浸水防止策、③西新小岩三丁目からの広域避難経路の整備、④新小岩公園防災高台化整備に当たって、防災情報ステーションや水素ステーション設置の要望、⑤計画中の新小岩北地域公共施設に水害時に一時滞在できる施設や備品を付加する要望など5本の柱からなっている。

     提言に対する回答は、今後、区の大規模水害対策の検討の際に貴重な意見として参考にしていきたいということだが、ただ、施策の具体化には技術的検討や新たな計画の策定が必要なことに加え、区以外の行政機関の事業も含まれるため、そうした事業の進捗に併せて要望を行う必要があり、提言の実現には時間を要するとのことだった。

     今後、勉強会は提言が区の計画施策にどのように反映されるかを注視していく予定である。しかしながら、新たな計画の実現には時間を要するため、切迫している大地震やそれに伴う水害にもできるだけ速やかに対応できるよう、災害弱者も考慮に入れ、地域の範囲で堅固で高い建物を避難施設として利用できるよう、垂直避難を取り入れた町会の避難計画を作成することにしている。現在、地図上に、避難できる高い建物を落とし込み、高い建物ごとに地域をブロック分けし、各家庭にとってどこの建物が垂直避難に適しているかの検討を進めようとしている。次の勉強会には作成した垂直避難計画を町会に提案し、町会全体として検討してもらい、正式な町会の避難計画として策定できるようにしたいと考えている。

     NPOはこうした町会の避難計画作成の事務局として、技術的、専門的立場から支援していく考えである。

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質問 7→荒川下流河川事務所の荒川丸はどんな船で、どうすれば利用できるのか。

回答  →荒川丸は災害時の救助船で、形は水上バスに似ている。38人乗りだが案内人も乗るので、団体としての申し込みは30人ぐらいに絞ってほしい。空いていれば利用可能である。人気があるので日程が決まっているのなら早い目に申し込んでいただきたい。なお、ロックゲートは目下浚渫中だが、7月中には工事も完了する予定なので、8月の行事なら閘門通過も体験できると思う。

 

質問 8→新小岩公園の高台化事業は現在どうなっているのか。また高台化された後、広域避難との関係はどうなるのか。

 

回答  →新小岩公園の高台化については昨年4月から6月にかけて共同事業者を公募したが、応募者はなかった。そこで有力候補者と面談し何故手を挙げなかったのかを尋ねたところ、①JR総武線への影響が読めない、②公園が利用できない期間の短縮化、③区のやる事業はがちがちに固まっており相談して変更する余地がないなどのことが指摘された。そこで、ひとつの考え方としてJR総武線から遠い方(蔵前橋通り側)から四分の一ぐらいに区切って盛土を開始し、他への影響を見るなど検討したが、こうするとリニア工事などから出てくる残土の量がさばききれないので、他の東京都の事業と抱き合わせてできないかなどの提案もあり、東京都ともその可能性を検討している。出来れば年度内に事業体制を固めて、次年度頭から工事にかかりたいと考えている。なお、新小岩公園は避難場所とするには狭いので、広域避難は実施するものとし、高台化された新小岩公園は垂直避難して逃げ遅れた人々の救出場所として利用することを考えており、他にも何カ所か区内にこのような場所を確保することを考えている。

質問  →公園は全体を盛土するのか。和楽亭の方は現状のまま残すのか。盛土の高さは6mなのか。堤防と一体化するのか。

回答  →公園と中川堤防との間は東京都が高規格堤防化を計画しており、一体化して利用することを考えている。ただ、一体化しても避難場所としては狭いので、広域避難を基本とし、高台化された公園は逃げ遅れた人の救出基地と広域避難の中継基地としての役割を果たすことになろう。

 

 

総会終了後30名あまりの方が参加して交流会を開催しました。地元の皆さんも多く参加され、上小松町会長から出来ることなら今年から上小松小学校でも出前事業をやってほしいとの要望が出るなど、実り多い交流会となりました。今年も15周年記念のシンポジウムの開催に加えて、「輪中会議」の開催や出前授業の実施、勉強会の支援を継続的に実施すると共に、「葛飾水辺ルネッサンス」構想を取りまとめ、水害リスクと賢く共生しながらこの地を安全で水と緑と安らぎの街にするべく頑張っていく所存です。皆様方の一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

 

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