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総会・評議会の記録

26年度総会盛況理に終了

-恒例の講演には元都技監、現東京メトロ常務の村尾公一氏が講演、

東京メトロの防災対策を紹介-

当NPOの平成26年度総会は6月28日、土曜日に新小岩北地区センター・ホールで開催されました。恒例の講演は元東京都技監・建設局長で、現在東京メトロの常務取締役の村尾公一氏による「東京メトロの災害対策」と題する講演でした。あいにくの雨模様の天気で出足が心配されましたが、話題が日ごろ都民の足となっている東京メトロが災害に対してどのような対策を講じているのかという興味を引くテーマであったため、多くの方が来場し熱心に聞き入っていました。その後評議員会、理事会に引き続き総会が行われ、活発な質疑が行われた後、予定された議案は全て提案通り承認されました。
 
村尾公一氏による講演の要旨は次の通りです。
「東京東部の低地帯で必要・不可欠とされるのは地震・高潮に対する対策です。都の高潮対策は堤防の補強等により隅田川・中川・旧江戸川については既に9割方完了していますし、水門の耐震対策も実施中です。
東京メトロは現在9路線、195㎞で営業をおこなっていますが、このうちの7路線では他社との直通運転を行っており、これを加えると営業路線は532㎞、1日の平均輸送人員は644万人という東京都の交通の大動脈となっています。この都民の足を震災から守るために震度4以上の揺れを感ずると地震警報システムが作動して車両は緊急停車し、震度4以下なら注意運転による点検を、震度5弱以上なら徒歩点検を行うことになっています。
設備面では2012年までに震度7に耐えうるような補強をトンネル、高架橋、地上建物に実施しています。また、早期の運転再開を可能とするため設備点検を迅速化し、エリア地震計を増設し、他鉄道との連携強化や、乗客への情報提供にも注力して安全ポケットガイドも配布しています。更に、帰宅困難者に提供する飲み物、アルミ製ブランケット、簡易・携帯トイレを準備するなど、受け入れ態勢を整えています。
そのほか風水害対策として抗口に防水壁や防水ゲートを準備したり、トンネル内に防水ゲートを設けたり、換気口での浸水防止機や駅出入り口に防水扉や止水版を設置する等の対策がとられています。さらに避難誘導の円滑化を図れるよう日頃から訓練を実施しています。
このように自然災害からお客様の命を守ることを第一とし、更に首都機能の低下を出来る限り抑えるべく種々の対策を講じていますが、お客様にも事故や災害発生時にはあわてず係員の指示に従って避難いただくと共に、お客様相互の助け合いについてもご理解とご協力をいただきますようお願いします。」
講演後、東日本大震災の時は復旧までに時間がかかりすぎたのではないかとの質問がありました。これに対し、次のような説明がありました。
「あの時は直ちに全車両を停止させたのち、駅間停止列車85本は時速5km以下で運転して次駅に移動させました。その上で技術社員による歩行点検を行い、異常がないことが確認された路線については安全確認列車を運転した後、他社との運転再開のタイミングと運転区間について調整をした上で、はじめて20時40分に銀座線全線と半蔵門線の一部を運転再開し、以後各路線で順次運転を再開し、その後終夜運転を行いました。この様に一見運転再開までに時間がかかりすぎているように思われるかもしれませんが、他社の線とつながっている時相手との運転再開への調整がいること、銀座線、丸ノ内線のように他社線とつながっていない場合でも一方的に自社線を運転し終点に乗客を送ってもそのターミナルで乗客の受け入れ能力がないと混乱を引き起こすだけなので、安全確認は勿論のこと、運転再開には慎重な対応が必要なことを理解していただきたいと思います。」
運航再開には種々の配慮が必要なことを痛感した次第でした。
 
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村尾公一氏による講演の様子
 
次いで評議員会・理事会・総会が行われました。
今年は理事で東新小岩5丁目町会長の青柳氏が司会を務め、冒頭に青山元東京都副知事からの祝辞を紹介した後、東京都防災・建築まちづくりセンターの町田理事長が評議員会の議長に指名されました。議長の要請で石川理事長が挨拶に立ち、設立以来12年の歩みを振り返ると共に、これから実施しようとしている活動について次のような話がありました。
「NPOを立ち上げた当時、この町に住んでいる皆さんの多くは、万一洪水が起こり破堤すれば住まいが水没してしまう危険性を帯びているのに、その危険を認識していなかったので、洪水になればどの高さまで水が来るかを示す水位表示板を設置することで、街の人々が日ごろ忘れている潜在的脅威について注意を喚起することからその活動を始めました。水位表示はその後区でも取り上げられ、広く電柱に表示されるようになりました。
次いで水害時にはボートを使った避難や救援物資の運搬が必要になるので、そのための訓練を実施するべく各町会にゴムボートを寄贈し、葛西臨海公園でボートを使った避難訓練を実施しました。他方、区のハザードマップに指定されている避難先の松戸市まで公共交通機関を使って避難する訓練も行い、多くの問題点を洗い出したり、東大の加藤先生の指導を受けて、町会の皆さんとワークショップを開催し、水害発生時に身近な避難場所・備蓄品がどこにあるかを勉強したり、シンポジウムを開いて大規模災害に備えて自助・共助の体制を整えていく決意を表明したり、地域で活動する様々な方々が対等な立場で問題意識を共有し、これまでの活動から得た知見を分かち合い、学びあい、知恵を出し合って安全・快適なまちづくりを考えていく場としての「輪中会議」を設立し、地域の力を合わせることによって快適な街を、暮らしを、大災害から守ろうといった活動を展開してきました。
今後の活動としては新小岩地域に住む人は皆同じ運命共同体に属しているとの考えから、輪中会議への参加者の輪を広げ、発展的に継続していき、輪中会議の総意が輪中に住む人々全員の総意となるように働きかけていきます。
また、西新小岩3丁目の有志の皆さんが始めた、水害時の避難場所となる高台を近所に作れないか検討する勉強会を支援してきましたが、河川管理者が考えている河川防災ステーションを新小岩公園の隣接地に設置してもらい、併せて公園の高台化も図ることを関係先に働きかけていこうと考えています。」
 
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議案の説明と質疑応答の様子
 
次いで議案の説明と質疑応答が行われ、最終的に全ての議案が提案通り承認されました。この間に提起された質問とそれに対する回答を要約すると次の通りです。
 
質問1:東京に大地震は起こるのか。その時期は分かるのか。来るとわかっているなら対策を立てられないのか。過去に対策を立てて助かったことはあるのか。 
回答 :日本は地震国で東京でも今後30年間に70%の確率で大地震が起きると予測されている。
過去に対策を立てて助かった例として「釜石の奇跡」があげられるが、これは群馬大の片田先生が日ごろから大きな地震が来たら津波が来るからとりあえず高台に逃げろと中学生に繰り返し教育してきたおかげで、中学生が中心となって途中に避難所があってもそれより高台へと、周りの人々を避難させて多くの人が助かった例がある。これも日頃からの訓練の賜物なので、訓練を馬鹿にしないで、まじめにやってほしい。
 
質問2:上平井小で石川理事長の講演を聞いた人からの話では、大変わかりやすくて面白かったとのことだった。他の学校でもこのような講演をしてほしいが経費はあるか。あわせて、「災害発生時の避難方法について家庭で親子で話し合う」ためのワークシートを配布してその結果を解析してもらい、学校での児童の避難方法の参考に供してもらうとか、パネル展示もやってもらえるか。 
回答: 今年も葛飾区の地域活動団体事業費支援事業の助成(事業費の約半額を区が負担する)を受けることが出来たのでワークシートの配布・解析、パネル展示を含めて二上小で実施することを考えている。講師の派遣は無料で行っている。 
 
質問3:西新小岩3丁目で高台設置の可能性を検討する勉強会を開いているが、そこで話題になった「河川防災ステーション」とは何か。 地元町会にとってどんな利益があるのか。
回答: 河川防災ステーションは水防活動の拠点として、緊急用資材置き場、ヘリポート、情報収集・指揮連絡を行う水防センターを備えた施設である。現在、新小岩公園付近に整備を検討しているところだが、一定の整理がついた時にお話ししたい。
 
質問4 西新小岩3丁目の皆さんが高台設置の可能性を検討する勉強会を開いているそうだが、他の町会でもできるか。その際どのような助成が得られ、助成金の使途に制約はあるか。また、水防ステーションが新小岩公園に隣接した地に建設されるようなら、新小岩の全町会が一致して区に働きかける必要があると思うが如何。 
回答: この勉強会は東京都都市づくり公社の街づくり支援費を受けて行っているものだが、5人以上の人が発起人となり、街づくり支援申請を行う必要がある。当面は街づくり活動費と専門相談員に対する相談費が助成の対象となる。使途は相談費の他は会場費・通信費・印刷費・交通費で年間50万円。 調査が進展し施設整備に要する費用(設計費、工事費、機材費)が必要な段階に至ると500万円を上限に支援が受けられる。
 
質問5:地域活動団体事業費助成制度とは区との協働事業ということだが、目的とか趣旨は如何。
回答 : 地域で活動する団体の活動を支援していこうとするものだが、今年から助成額は30万円を上限とし、申請する対象事業費の最大50%までの助成となっている。
 
質問6:NPOの会費は年間1,000円で大変安いが、これだけ色々のことをやっていると経費もかかると思うが、どんなやりくりをしているのか。
回答 :ご指摘の通り事務所は光熱費を含めて無償で提供を受けていても、会費・寄付金・雑収入だけでは日常の通信費、事務用品費、印刷代に消えてしまう。スタッフは無給、交通費も自己負担で活動しているが、事業に要する費用は常に外部にアンテナを張って助成金を提供する団体に申請し、助成を得て事業を行ってきた。主な支援団体はこれまでのところ内閣府、東京都、葛飾区等の公共団体、東京大学、公共財団等だったが、今年度は厳しい状況にある。
 
質問7:NPOの会員は何人か。ふだん活躍している事務局員はどのくらいか。その人たちは有給か。
回答 :現在正会員は84名、このところ会員は減少している。このうち事務局でアクティブに活動しているのは8名、全員無給・交通費も自己負担で活動している。地元の方にも事務局のメンバーに是非入っていただきたいと考えているので、ご都合の付く方は申し出ていただきたい。また、会の活動を支えるために多くの方に入会していただきたい。
 
質問8:「天さいまなぶくん」って何ですか。
回答 :「天さいまなぶくん」とはスマホなどにインストールしてあなたの住む街が浸水した時の状況を疑似体験できるアプリだ。これを利用することで水害時の避難経路や、避難場所などを調べることが出来る。葛飾区の導入に続いて他の市町村への導入も進められており、すでに10カ所近くの市町村で採用されている。
 
質問9: 西新小岩1丁目の中川沿いの駐車場は高台化すればすぐにでも避難場所になるし、隣接する新小岩公園も併せ高台化すれば広い避難場所とならないか。
回答 :西新小岩1丁目の駐車場の土地は河川防災ステーションを設置するのに好適な場所であり、これと併せて新小岩公園の一部高台化も必要になるので、その際公園全域の高台化が出来るよう働きかけていきたい。
 
総会終了後40名余りの方が参加してささやかな懇親会を開催しました。
 
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懇親会でスピーチをしている様子
 
地元の皆さんも多く参加され、なごやかな懇談のうちに6時過ぎに散会となりました。今年は外部から大きな助成金を受ける予定はありませんが、「輪中会議」の拡大・発展をはじめ地道な活動を続けていきたいと思っています。皆様方の一層のご支援を賜りますと共に、新しい会員として参加されるようお願い申し上げます。
 
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