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土木学会学術講演会で理事長が講演

「社会基盤整備の成果とそれに伴う災害」というテーマで問題提起

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土木学会で講演する石川理事長

土木学会第59回年次学術講演会が平成16年9月7~9日に愛知工業大学(豊田市)において開催された。この講演会の「特別セッション」部門(講演者をフェロー会員に限定し,フェロー会員から全世代の土木技術者へ提案や問題提起をしていただき,部門,世代を越えた議論の場を作るセッション)において、石川理事長は「社会基盤整備の成果とそれに伴う災害」というテーマで講演した。その要旨は次の通りである。

技術の進歩のお陰で社会基盤は高度化され、豊かな社会を築く礎の役割を果たしている。高度化された社会基盤は一方において、災害ポテンシャルを高めてい る。阪神・淡路大地震において高速道路が転倒し、新幹線の橋梁も被害を受けたことは記憶に新しい。幸いにも、早朝であったため、人的被害は少なかったが、 この地震がラッシュ時に起きたならば想像を絶する被害であったであろう。高速化、大量輸送化を可能にした技術の進歩がなせる災いである。
ノーベルが、自分の発明したダイナマイトが兵器として利用される災いを軽減するために、ノーベル賞を創設した例からも分かるように「技術の進歩がもたらす豊かな社会とそれに伴う災害」は古くから議論され、対策も立てられている。
JR各社は、新幹線施設が大地震で壊れることもあることを視野に入れて、その時の被害を軽減する目的で「ユレダス」と言うシステムを導入した。これは地震の初期微動を感知したら、取りあえず送電を一斉に止めて、列車を停止させ、落下した橋に列車が突っ込む被害を防ぐものである。

大きく丈夫な堤防・ポンプ・水門などを作る技術の進歩が、干潮面より低い0m地帯を居住可能な地域にした。しかし、何らかの原因で、破堤するなどこれらの機能が麻痺したら新幹線同様に、0m地帯で大きな被害が発生する。
0m地帯に住む住民にとっては、新幹線の「ユレダス」のようなシステムが必要である。
新幹線の「ユレダス」では、乗客は地震について知らなくても鉄道側で対策をとってくれる。一方低地帯の浸水は、居住者が自らの判断で、避難活動をしなければならない。これが新幹線との決定的な違いである。それだけに対策は難しく、手つかずの分野である。
地震時に堤防が壊れた例は沢山あるが、それによって浸水した例はない。なぜならば、0m地帯のような災害ポテンシャルの高い地域に居住するようになった 歴史は高々50年であり、幸いそのような地域に大きな地震がなかったからである。過去に被災例がないことも手つかずになっている理由の一つである。

官側では、過去の災害を二度と繰り返さない事を重点に災害対策を立てている。そして、関東大震災にも耐える丈夫な構造物を建設している。しかし、それでも 万一のことを考えて鉄道事業者が、「ユレダス」のシステムを導入したように、0m地帯の地震水害から居住者を守る安全対策に官民あげて取り組む必要性があ ることを多くの人に訴えたい。

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