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出前授業など活動支援

上平井小学校第4学年生出前授業(2017/12/4)

上平井小学校第4学年生出前授業概要報告
1、 日時: 平成29年12月4日(月) 午前11:35~12:20(第4校時)
2、 場所: 上平井小学校 家庭科室
3、 対象: 第4学年45名、担任2名
4、 タイトル: 「大水についての話を聞く」副題「災害に強い町づくり」
5、 講師: 東新小岩七丁目町会防火防災部 竹本部長、東京大学生産技術研究所 研究員南氏
 
概要: どんよりと冷え込んだ外とは違い、暖房が程よく効いた家庭科室の床へ思い思いに座った生徒は立ち上がり、「今日は。宜しくお願いします。」と元気良く二人の講師を迎えた。
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司会の先生から、「最後に質問を受け付けるので、聞きたいこと知りたいことをメモ書きして下さい。」と言って授業が始まった。
初めに竹本講師が、「災害にどんなものがあるかな。」と聞くと生徒から、「地震、津波、雷」と返って来、講師はすかさず「火事、親父」と続け、「君達のお父さんは怖いかな?親父はね、本当は『大山風(おおやまじ)』と言って大風のことを言ったんだよね。でも地震は怖いね。地震にはプレート型と直下型があって、新小岩は直下型が心配だね。学校や家で地震に遭ったらどうする?」の問いかけに「頭を押さえる。安全な場所へ避難する。大きな広い処逃げる。」と次々に発言し講師は、「本所防災館やテレビ等を見て知って、逃げ方を色々考えて欲しい。この30年の間に70%の確率で地震が来ると言われているよ。」
「次に怖いのはカミナリかな。誰か身近に落ちた経験のある人は居ますか?おじさんは、『森永乳業東京工場』近くで目の前に雷が落ち、辺りは停電して真っ暗なのに頭の中は真っ白になって本当に怖かった。カミナリで注意することは、①外に出ない。②堅い建物の中にいる。③高い所でなく低い所で姿勢を低くする。昔は金属に近寄らないようにと言っていたが、あまり関係なさそうだよ。」
次いで、「人間だけが火を使いこなせたから文明が発達したんだよね。この間9月の終わりに二上小学校校庭で『おやじの会』のお祭りがあって花火を上げました。」と言ってスクリーンに当夜の打ち上げ花火が映し出されると、生徒は一様にびっくりした表情で画面に見入った.「でも音が大きかったので、苦情も来ました。皆さん火事の原因で一番多いのは?」と聞くと「放火」という声が返ってきた。「そう、放火が一番多いね。火を見たら自分で消そうとしないで、大きな声で大人の人を呼ぼう。次に怖いのは水害です。」
講師は先ず生徒に、「海抜ゼロメートル地帯って知っている?」と聞くと、「海と一緒の高さです。」と答え、「電柱の赤い帯見たことある人?」と聞くと殆どの生徒の手が上がった。
「堤防が壊れたら、金魚鉢の中に住んでいる私たちは、3週間水が引きません。どうしたら避難できるか大人たちは真剣に考えています。時間があったら遠くへ逃げましょう。時間のない時は高い建物に逃げましょう。」と言って画面に普段から二上小学校のプールを借りてボート訓練をしている様子を映し、竹本講師の話は終わった。
次に南講師が自己紹介を兼ねて、「東大って知っている?」と聞くと皆が「知っている。」「五月に行って面白かった。」との声が上がり、続いて、「葛飾の外に住んだことがある人は?」の問いに、「台湾に居たことがある。」更に、「葛飾にはどんな川があるかな?」では皆が、「荒川・中川・綾瀬川」と答え、「では、川は何処から流れて来るのかな?また雨は何処で降るのかな?」の質問にも的確に答えており講師は、「天気予報で前以て雨の降り方を良く知って置いて下さい。では、戦争はいつ終わったかな?」と聞くと一人の生徒が、「1945年です。」と答えた。
講師は、「その2年後に大きな台風が来て新小岩は水が引かなかったけど水に浸かっていたのは2時間?それとも2日間?否2週間?」と問い掛けると2日間が1名、残りは全て2週間に手を挙げた。
 
「私はここで70年前洪水に遭いました。当時は平屋の家が多く、私の家も平屋のため屋根の上で父親と2週間生活し、街を歩けるようになったのは3週間後でした。
今日は大雨が降り続けたらどうしたら良いか話しますので、家でご両親と避難について話し合って下さい。さあ!皆さん異常気象で大雨が降っても水が来ないと思う人はいますか?」と聞くと殆どの生徒は首を横に振った。
「では洪水が来ると何が困りますか。」との問いに生徒から、「食べ物と水が困ります。」と的確な返事だった。
続いて「洪水は地震と違って前以って来るのが分かりますから、逃げるのが一番です。葛飾区では大雨が降り続くと先ず避難準備が出ます。要介護の方は薬の用意等をし、更に危なくなると避難勧告が出ますから高齢者は安全な所へ逃げ、一般の人は電車で市川や松戸或いは高い場所にある親戚へ逃げます。
前以って親戚へは頼んで置くか、逃げる時間がない場合3階へ逃げましょう。おきましょう。家で逃げるにはどうしたら良いかを話し合っておきましょう。
屋根の上で生活している人達の中で、間もなく生まれる近所のお母さんを子供ながら心配しました。
今は東京都や葛飾区が食料・水だけでなく産婆さんも助けに来るし、消防団と町会でもボートで駆け付けられます。
そのために日頃からボート操作訓練をしています。
 この間の『二上祭り』でボートに乗った人はいますか?」中川講師が尋ねると大勢がさっと手を挙げた。
「避難勧告、避難指示が空振りだったとしても『ああ空振りで良かった。』と思って下さい。区は情報をいち早く区民に伝えています。先日の台風第21号で、中川はテラスまで水が上がり、区は避難準備を出しました。二上小学校へも避難して来た方が居ました。皆さんはもう大人以上の力が出せます。活躍を期待します。町会の避難訓練にも参加して下さい。」と結ばれた。
 
続いて塩崎講師がパワーポイントを使って、スクリーンにタイトル「安全で快適な街を目指して」、副題「水に備えて、水と親しもう」を映し出し、自己紹介後様々な自然災害を示し、「皆さん!2015年の常総市の水害を知っている人?」と聞くと数人の生徒が手を挙げた。
画面は70年前のカスリーン台風で、区内が水没した様子を講師が説明し、当時を知る中川会長も補足説明をしておられた。
次いで講師が、「ゼロメートル地帯って知っている人?」と聞くと全員が即座に手を挙げ、以後矢継ぎ早の質問にも生徒達は素早く反応した。
例えば、川の水面と地面の高さはどちらが高いのかとか、何故ゼロメートル地帯になったのか或いは、二上小学校水面より低い所にあるのかを聞く度に多くの生徒が的確な回答していた。
 
「ここでクイズを出します。」と言って講師が画面に、問題 何故ゼロメートル地帯になったのか。 答え ①地震で地盤が下がったから。②魚が水面を持ち上げたから。③地下水を汲み上げ過ぎたから。を示し、順に手を挙げさせたところ、①で数人が、②は0人、③に大多数の手が挙がった。
生徒達の多くが自分の住む地域について、正確な知識を持っていることが分かると講師は、「では、地盤沈下と水害についてお話しをしましょう。」と言いながら、「地盤が4~5m下がるというのは、この体育館の2階の手擦り位までで、その目撃者が東京都第五建設事務所の古井戸です。」と紹介し、「でもここの地域はゼロメートル地帯でもポンプ所や堤防がしっかり作られているので大丈夫ですが、鬼怒川水害のように若しも堤防が切れたらこの辺りは3~4m水に浸かります。」と言ってスクリーンに、電柱に貼られた赤テープを紹介した。
 
「このテープ何か分かる人?」と聞くと数名が手を挙げ内一人がすっと立ち、「大雨で洪水になった時の高さです。」と答えた。講師は、「そうです。皆さんも赤テープの貼られている高さを見てみましょう。若しも荒川の堤防が切れて水害が起きたらどうしますか?」との問いに、各自思いついたことを言い合っていたが講師は頃合いを見計らって、「先ず、① 水害についての情報を集めよう。それには『荒川ハザードマップ』や防災アプリ『天サイ!まなぶくん』を見る。② 家の人と避難場所を確認する。それから日頃の備えとして、① 食料を最低限備蓄して下さい。② 水害から身を守るための訓練です。先日の『二上祭り』では皆さんボートに乗っていますから、次はボートの操船訓練を中川町会長さんに頼みましょう。」
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スクリーンに『新小岩公園』とその俯瞰図が映し出されると講師は、「この公園に行ったことがある人?この図面が何か分かる人?」と聞くとそれぞれ10名ほどが手を挙げた。「次に水があるからこそ水に親しめ、水を活かした街づくりが出来ます。」と切り出し、「皆さん郷土かるたを知っていますか?」との問いに全員が知っていた。そこで、画面に5枚の川札を映し、内2枚㋑と㋤が言える人?」と聞くと、一人がさっと手を挙げて立ち、「㋑いくつもの川が流れる川のまち。㋤中川は右に左に七曲り」とすらすらとそらんじた。
画面は中川テラスを映し出し、「ここへ行ったことのある人は?」と聞くと半数の生徒が手を挙げ、講師はすかさず、「この中川でボート訓練をしたい人は?」と質問するとやはり半数の生徒が手を挙げた。
そこで、「今手を挙げた方は中川町会長さんにお願いしてみて下さい。」中川町会長さんは、「機会がったら連絡しましょう。」とニコニコ話された。
講師と町会長さんとの遣り取りで授業も佳境に入って来、画面は世界各地の水のある街を次々と映し出した。
 
国土の四分の一が海面下にあるオランダ各地の様子や、パリセーヌ川でバカンスを楽しむ大勢の人の姿に生徒は一層興味をそそられていたが、頃合いを見計らって講師は、「中川もテラスが出来てスクリーンのように遊べれば良いですね。では今日のまとめは、川の近くでの生活は危険と豊かさがあることを知り、自分達の地域の危険性を理解し備え、一方地域の魅力を知ろう!そのためにも家族で『ハザードマップ』と「天サイ!まなぶくん」をチェックしましょう。と締め括った。
終業の時間がたちまち来てしまい最後に主任先生が、「今日の授業の感想を言って下さい。」の問いかけに生徒から、「川は怖いと思っていたが楽しい面もあることが分かった。住んでいるところでは水害や土砂災害などは起こらないと思っていたが違うことが分かった。」など次々と手が挙がったがベルも鳴り、「この辺りでおしまいとします。講師の先生にお礼を言いましょう。」、「有難う御座いました。」と共に拍手で授業が終わった。
 
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