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出前授業など活動支援

松上小学校第3学年生出前授業(2017/12/9)

松上小学校第3学年生出前授業概要報告
1、 日時: 平成29年12月9日(土) 午前8:45~9:30(第1校時)
2、 場所: 松上小学校 体育館
3、 対象: 第3学年70名、担任2名、保護者3名
4、 タイトル: 防災について「親子で語り継ぐ大水害時の避難について」
5、 講師: 東京大学生産技術研究所 研究員塩崎講師
6、 概要: 「葛飾教育の日」の第一時限目は、底冷えがし寒さを一段と感じる「体育館」で始まった。
先生の「今日はよろしく願いします。」の発声に併せて元気の良い生徒達の元気な声が館内に響いた。
講師が自己紹介で、「私は新小岩のまちをどう安全にしていくかを研究しています。皆さん自然災害にはどんなものがありますか?」と早速質問を投げかけた。
生徒からは、「地震、津波、土砂崩れ、火事、台風、洪水、雪崩、竜巻、雪崩」と帰って来、講師は、「私が考えていたより多く上げて頂きました。では、阪神淡路大震災って知っている?」には「知っている。」と多くの生徒が答えた。
「ではこの形を知っている?」と画面に葛飾区の地図を映すと全生徒が、〔知っている。〕と応じ次の、「葛飾にどんな川があるかな?」には口々に、「荒川、中川、綾瀬川、江戸川、新中川」と答え、講師は、「川に囲まれた葛飾を知って、皆で安全で楽しい生活をするにはどうしたら良いかを考えましょう。」と生徒を誘った。
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「2年前の常総市の水害を知っていますか?」の質問に大勢の手が挙がり、スクリーンに当時の水浸しの町の様子が映し出し、「堤防が水の重さと流れる力で耐え切れず、街中に水が溢れ出てしまいました。17年前に名古屋市でも堤防が切れて街が水に沈んでしまいました。皆さんは新小岩のまちに水害があったと思いますか?」との質問に2名の生徒が「あったと思う。」と答えた。
一方、70年前のカスリーン台風で利根川の堤防が切れて筏に乗っている人や堀切の線路上に避難している人の画面を示し、「堀切って知っている?」と聞くと殆どの生徒が、「知っている。」と答え、講師は続けて、「このカスリーン台風に遭われた『中川さん』から当時の話を聞いて来ました。水は2~3日かけて新小岩に来るからそれまでに父親と大事な物を二階へ上げたり、筏を組んで水に備え、実際水が来たので屋根の上で2週間過ごし、この間筏で食料を貰いにも行ったそうです。ところで『ゼロメートル地帯』って知っている?」と聞くと全員が「知っている、」と手を上げ、「では説明できる人は?」では、一人の生徒が姿勢正しく、「堤防がないと地域に水が入って来てしまう地帯を言います。」と答えた。
講師は続けて、「中川の水面と街中ではどちらが高いと思いますか?」と聞くと殆どの生徒が、「川が高い。」と応じた。スクリーンにゼロメートル地帯の色分け地図を示し、説明しながら、「ここで何故ゼロメートル地帯になったかクイズを出します。① 地震で地盤が下がった。 ② 魚が持ち上げた。 ③ 地下水を汲み上げた。」では、① ②は各一名で、大勢の生徒が③に手を挙げ、講師は次の質問に移った。
「地盤沈下を知っている人は?」皆首を傾げたため、「工場が水を必要とし、水を汲み上げたので、4~5m下がった所もあり、この地域でも2m以上下がったので、バスケットボールのゴールネット位下がりました。」生徒は一様に、「オッ!」と言う驚きの声を上げ、画面の地面から突き出た手押しポンプを見て納得した様子だった。
次に「間栗公園」脇の建物の画面を指して、「この建物は何か?」と聞くと一人が、「ポンプ所」と答え、「何をするところ?」と重ねて聞いたが皆、答えに窮しているようだったので、「ポンプ所は水を川へ吐出し、堤防と共に街を守っています。」と役割を分かり易く説明し、次の質問、「ゲリラ豪雨を聞いたことのある人は?」では半数が手を挙げた。
「常総市のように堤防が切れたら町はどうなるかな?」の質問に生徒から、「家が壊れる。街が壊れる。街が沈む。家に住めなくなる。食料が無くなる。」と思い思いの答えが返って来たので講師は、「家が壊れるのは、堤防の切れたそばの建物だけで他は流されることはないでしょう。」と補足し、「ではゼロメートル地帯で水に浸かったらどうなると思う? 街の電柱に赤い帯がしてあるのを見たこがあるかな? 何なのかな?」との問いかけに、「津波の高さです。」とか、「荒川で水害が起きた時、水が赤い線まで来ることを示しています。」との答えに、「今のシュミュレーションでは新小岩に津波が来て、家が壊れることはなさそうです。でも画面に映っている人は、友人で身長185㎝ある水泳部のキャプテンですが、このように沈んでしまい、泥だらけの中を泳ぐことも出来ません。立石は4mも水に浸かり丁度体育館の回り廊下位の所です。でも新小岩は、2階へ逃げれば大丈夫です。」生徒は講師の説明に、「怖いな!」と言ったりほっ!と胸を撫で下ろしたりした。
「皆さん水害が起きたらどうしますか?」の質問に、「高い所へ逃げる。2階へ逃げる。ドアを閉めて水が入らないようにする。」と答え、講師は「そうです。でも水の力は強くガラス戸を破るかも知れません。葛飾区は放送で『逃げて下さい。』と伝えます。先程の中川さんの話を思い出して下さい。水害では、電気、水道、ガス、トイレ、エアコン、携帯電話、冷蔵庫などが使えないので放送は、『松戸、市川、都心の方へ逃げて下さい。』と伝えます。若しも葛飾区からの連絡が遅くなった場合は高い所へ逃げて下さい。備蓄って聞いたことある人?と聞くと反応は無かったが、洪水ハザードマップを映し出すと、「天サイ!まなぶ君」と声が上がった。
講師は、「家の人と洪水ハザードマップを見て下さい。『天サイ!まなぶ君』ってどんなアプリかな?説明は難しいね。大人と子供が水に沈む絵で、自分の居る場所がどの位水に浸かるかが分かります。ハザードマップと『天サイ!まなぶ君』を必ず見て下さい。分かった人?」と聞くと殆どの生徒が手を挙げた。
次にボート訓練をしている様子の画面を映し、「地域の人は消防の人と避難訓練をしています。どうしてボート訓練をしているのか。町会の人達は自分を助けるのではなく、病気の人を助け、避難している人に食料を届ける訓練をしています。」
次にはボートを組み立てて中川へ運び、荒川をロックゲートまで下り、日本橋川の橋の下をくぐる操船訓練の様子を動画で示すと生徒達は一様にじっと食い入る様に見入っていた。
「町会の人達は、『大変だけど慣れてくると楽しい。』と言っていました。訓練場所は中川のテラスだけど参加してみたいと思う人は?」と聞くと多くの手が上がり講師は、「では機会があったら町会の人に頼んでみましょう。新宿の未来公園へ行ったことのある人は?」の質問に一名が「行った。」と答えた。
「あそこの公演はなぜ高くしているのかな?新小岩公園も今より高くして安全に避難出来るようにするのですね。今まで怖い話をして来ましたが、水があるからこそ水に親しみ楽しめることがあります。今日の2~3時間目は郷土かるたの授業ですね。郷土かるたに『川札』があるのを知っている人は?」と聞くと大勢の手が上がった。
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「では『い』と『あ』の後に続く言葉は何ですか?」と郷土かるたの絵札を示すと後ろの生徒が、すっと立ち、「『い』くつもの川が流れる水のまち。『な』か川は右に左に七曲」と大きな声でスラスラと答えた。「葛飾は川と深く関係し、水に親しんで居ます。世界ではどうでしょうか?」と言いながら、オランダの川に架かる人道橋から今にも飛び込もうとしていたり、ボートやヨットを操作している子供の姿を映し出し、「この子達は皆さんと同じくらいです。」の説明に生徒達は「えっ!」と声を上げ、続いて川に面した家が船をクルマ代わりの乗り物にしていたり、船を家にしている或いは水に浮く家等を紹介する度に生徒は皆一様に「えっ!」と吃驚した様子だった。
次の画面で、「パリのセーヌ川ではカヌーに乗ったり、ロープを張り渡したり、プールにして、川辺にパラソルを拡げたりしてバカンスを楽しんでいます。中川も同じに出来るので新小岩のまちは豊かな素晴らしい街になります。川と暮らすのに危険と豊かさが共存しています。どうかハザードマップと『天サイ!まなぶ君』を家の人と見て下さい。
川札を勉強するときにも思い出して下さい。葛飾を安全で楽しい街にしましょう。」と締め括った。
終業のチャイムが鳴り、司会の先生が、「先日の台風21号では中川の水かさが増え、学校も休みになりました。今日は良い勉強をしました。講師の先生に挨拶をして終わりましょう。」で授業は終わった。
 
 
 
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