講座・講演会の記録

(報告)2016/11/26 「うらら保育園」講演会及びパネル展示

平成28年度葛飾区地域活動団体助成事業
「うらら保育園」講演会及びパネル展示  (報告)
 
1、 日時: 平成28年11月26日(土)午前10:00~12:00
2、 場所: 西新小岩三丁目 社会福祉法人清遊の家 うらら保育園講堂
3、 対象: 保護者及び同園職員 41名
4、 講師: 芝浦工業大学理工学部教授 中村仁先生
5、 講師補助: 同大学4年      中島貴久氏
6、 講演テーマ:「大規模水害に備えたまちづくり」
7、 内容: ⓐ パネル展示 新小岩公園高台化や、地盤沈下、大水害、中川沿いの家並み、  
            葛飾区の昔からの水害対策等のパネル写真を22枚、
            講堂の壁に立て掛け、参加者に公演が始まるまでの間見て頂いた。
    ⓑ 講演概要 テーマ「大規模水害に備えたまちづくり」
 
20161126_01.jpg
好天に恵まれた講演会は、今年新たに入園された園児の保護者と、新規職員を対象に行った。
講師は、「若い世代の方が多く、新鮮な気分で話せそうです。私と地域との関わりは、輪中会議を通じてですから間もなく、10年位になります。
この間、東日本大震災をはじめアメリカのハリケーン『カトリーナ』や昨年の常総市の大水害があります。
幸い近年東京は大地震や大水害に見舞われていませんが、中央防災会議では『首都直下型地震による被害想定』を試算し、東京都は『大地震に関する危険の高い地域』をそれぞれ公表しています。
次に大水害についてですが、3年程前に、国土交通省のへりに同乗し、この地域がいかに堤防で安全が守られているかを実感しつつ、中川七曲りを撮影しました。」と説明しながら、見事に曲がっている中川の航空写真をスクリーンに映し出した。
 
西新小岩をはじめ荒川東部低地帯は、工業用水の汲み上げでどれだけ地盤が沈下したかを多くの画面で示すと共に、カスリーン台風やキテイ台風での被害状況写真や、刻々と浸水が広がる『荒川浸水シュミュレーション』画面に参加者は食い入るように見入っていた。
講師は、各自に配布された『荒川ハザードマップ』を拡げ、「このマップは既に葛飾区が全ご家庭に配布済みですが、詳しくご覧になっていないと思います。」と言いながら分かりやすく避難の準備から避難時の心得と情報入手の大切さ、殊に要援護者の早めの避難を強調された。
 
20161126_02.jpg
 
続いて、意外に地域の人に知られていない東新小岩七丁目町会の、我が国で先駆的な取り組みを紹介した。
「イザと言う時きめ細かな対応は、行政より地域の町会に頼らざるを得ない。町会は頼られるために、例えば『ボートによる避難救助』のため、日頃から実践的訓練を重ね、今では全国からも注目されている。これも、これまでの積み重ねが有っての結果である。」
次いで今日のテーマである『大規模水害に備えたまちづくり』活動を、ワークショップ、スーパー堤防とまちづくり事例現場見学、松戸市への遠距離避難訓練、ボートによる避難訓練等の積み重ねを順に段階を追って画面で説明し、活動の結果が葛飾区都市計画マスタープランに反映されたことを説明した。
 
更に活動の成果が葛飾区と東京大学で共同開発したスマホのアプリ「天サイ!まなぶくん」と葛飾区の「新小岩公園高台整備事業」に結実した。
と言いながら手元のスマホで「天サイ!まなぶくん」が講堂のどの辺りまで浸水するかを画面に表示し、「ここは5m近く浸水します。」と説明されて、参加者は一様に災害危険性を実感したようだった。
更に、「この地域はこれだけ浸水しますので、広域避難施設へ早目の避難を始めましょう。広域避難のゆとりがない時に備えて、葛飾区では新小岩公園高台化整備事業も進めています。」と避難行動や高台化のイメージ図を、大島公園を例に示しながら新小岩公園高台化のスケジュールを紹介しつつ講演を終了した。
 
分かりやすい説明と鮮明な画面に熱心に聞き入り、見入っていた保護者から次のような質問が次々に出、一つ一つ丁寧に講師は答えていた。
司会者が終わりの挨拶をしてからも何人かは帰り難く、講師を囲んでそれぞれの不安を訴え、納得行くまで質問する姿が印象的だった。
今回の講演会を企画用意して頂いた、うらら保育園藤田理事長、斎藤園長両先生はじめ園の教職員皆様のお陰・お力で講演会・パネル展示を行うことが出来ました。
本当に有難う御座いました。
 
20161126_03.jpg
 
質問1、大地震が発生したら保育園に迎えに行くべきか。(女性):回答1、園児の安全は保育園で対応しているので、状況をみて判断してください。
  2、大地震が発生した時、堤防が切れると突然水は来るか。(女性):回答2、先程画
面で説明しましたが、堤防が切れた場合、次第に水は流れ込み、時間と共に深さが
増します。ただし、地震で必ずしも堤防が決壊するわけではないので、状況に応じた判断が必要です。
  3、津波の影響はどうか。(女性):回答3、東京湾は入口狭く、懐が深いので
津波では高い波は押し寄せないと考えられています。
  4、スーパー堤防はどのようなものか。(男性):回答4、国が行う高規格堤防は、
高さの30倍の幅がある堤防で、高台避難場所にもなり得ます。ただし、地元が区画整理事業や再開発事業などを同時に行うことで合意形成が得られた場合に行うという方針なので、整備に時間がかかります。
  5、警報や避難指示が出た際、実際にどのように避難したらよいか。(男性):回答5、現状では安全な避難場所が近隣に不足しています。要援護者の避難先を近くに確保すると同時に、健常者も早めに区外の高台などへ行くことが望まれます。葛飾区役所や地域の町会と連携を取りながら 臨機応変に行動して下さい。近隣での避難の可能性を含めて、平常時から地域の皆さんで対応を検討しておくことが重要です。
  6、浸水したら水はどの位で引くのか。(女性):回答6、この地域は低地帯なので、
自然に水は引かず、ポンプにより汲み出すので、2~3週間はかかると予想されます。
 
pagetop
pagetop