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出前授業など活動支援

上小松小学校第6学年生出前授業(2018/1/13)

上小松小学校第6学年生出前授業概要報告
1、 日時:   平成30年1月13日(土) 午前10:40~11:25(第3校時)
2、 場所:   上小松小学校 体育館
3、 対象:   第6学年145名、担任4名、保護者16名
4、 タイトル: 防災について「親子で語り継ぐ大水害時の避難について」
5、 講師:   上小松小学校評議員 奈良木 亨丞講師
東京大学生産技術研究所 学術支援職員 塩崎講師
6、 概要:  地域の盛り上がりから今年度新たに、上小松小学校で「親子で語り継ぐ大水害時の避難について」の出前授業が、寒中の「葛飾教育の日」第6学年生を対象に行われた。
体育館の後方には2台の大型石油ストーブが赤々と音を立てながら館内を  温め、並べられた椅子に生徒はきちんと座って講師を迎え、定刻に授業が始まった。
冒頭伊藤校長先生が、「昨年の台風第21号では、葛飾区から『警戒情報』が伝達され、地域の方々が当校に避難して來た際の受入れ準備を進めるように。との連絡がありましたが、今日はその洪水について、をテーマにお二人の先生にお話をして頂きます。」と講師を紹介した。
 
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はじめに塩崎講師が、「自然災害にはどんなものがあるかな?」と早速質問すると、生徒から次々に、「地震、土砂崩れ、津波、台風、竜巻」との声が上がった。
講師は、「多くの災害が出ました。中でも地震が起きると火災や水害が発生しますが、今日は水害についてお話ししましょう。ところで3年前の常総市の水害を知っている人は?」と聞くと半数が手を挙げ、スクリーンは堤防が切れ、常総市の街中を濁流が襲う様子を映し出した。
続いて「葛飾区は川に囲まれていますね。どんな川かな?」と問い掛けると、女生徒が、「荒川、中川、江戸川、綾瀬川」と答え、新中川を講師が補足し、「では今までに葛飾区は大きな水害にあったことがあると思う人は?」と聞くと生徒の約半数が手を挙げ、「なかったと思う人は?」では数人が応じた。
塩崎講師は、「ここで、皆さんが良く知っている『奈良木さん』にカスリーン台風の話を聞きましょう。」と言ってマイクを繋いだ。奈良木講師は、「カスリーン台風の時、私は小学校2年生で、水害の記憶は定かでありませんが、年長の地元の方に当時の話を聞いたら、『桜土手通りの土手が切れ、水が押し寄せ、2週間水が引かず屋根の上で生活した。』と言っていました。又、校長先生がお話された10月23日、区からの警戒情報で町会も活動準備をしたので、一週間後に予定していた町会の『避難訓練』を急遽延ばし、11月26日(日)上平井中学校で行いました。その時には屋上のプールでボート訓練もし、同校の中学生が訓練を手伝ってくれました。」と話された。
スクリーンに映し出された、葛飾区内の標高を示すカラー図面は、区内の大半が水色に染まっており塩崎講師が、「この水色はゼロメートル地帯を示していますが、ゼロメートル地帯って知っている?」と聞くと約半数が手を挙げ続いて、「では説明出来る人?」と聞くと、男子生徒が、「海面と同じか、海面より低い地域です。」と的確に答えた。次いで、中川の総武線陸橋を望む画面を示し、「この川の水面と川沿いの家ではどちらが高いと思いますか?」との質問にやはり半数が、「水面の方が高い。」と答えた。
「これは葛飾区内の浸水深さが分かる図面です。殆どの地域が水没する水色に塗られています。次にこの地域の高さを示す写真をお見せしましょう。」と言って、上小松町会会館を映して、「ここに立っている方は誰か分かる人?」生徒は誰だろうという感じで校長先生の方を見た。
講師は、「そうです。校長先生の腰の高さ迄水色が塗られています。この位置が海抜ゼロメートルの水位です。ここで何故ゼロメートル地帯になったかクイズを出します。① 地震で地盤が下がった。 ② 地盤の重さで地盤が下がった。 ③ 地下水を汲み上げた。」では、①は2~3名で、②は半数の生徒が、③も大勢の生徒と父兄が手を挙げ、講師は、「地盤沈下は、工場が水を必要とし、水を汲み上げたので、4~5m下がった所もあり、丁度体育館のバスケットボールのゴールネットから二階通路の手擦りやカーテン位まで下がりました。でも今は地下水を汲み上げないルールが出来たので、沈下はしていません。」生徒は一様に、「オッ!」と言う驚きの声を上げ、地盤沈下の目撃者でもある画面の第五建設事務所敷地内手押しポンプを見て納得し、又、講師はポンプ場の排水施設やしっかりとした堤防画面を映し出し、「これらがゼロメートル地帯を安全に暮らせるよう守っています。」との説明にほっと安心した様子だった。
次に講師は、「鬼怒川のように堤防が切れたらゼロメートル地帯のこの上小松はどうなるかな?で、水害が起きたらどうなるの?」と画面は、上小松町会会館に立っている校長先生の手を挙げても届かない2.0mも水で沈む深さを示した。次に、「葛飾区の立石を知っている人は?」と聞くと、全員が手を挙げ続いて、「この電柱の赤帯は4.0mを指していますが、この意味は何ですか?」との講師の問いかけにも多くの生徒が、「知っています。」と答え、中の一人が、「水が来る高さです。」と的確に答えた。続けて、「もし荒川の堤防が切れたら皆さんはどうしますか?」の質問に生徒は口々に、「高い所へ逃げます。」と応じていた。た。線替えを挙げても届かいの奢侈インの質問に生徒から、「家が壊れる。街が壊れる。街が沈む。家に住めなくなる。食料が無くなる。」と思い思いの答えが返って来たので講師は、「家が壊れるのは、堤防の切れたそばの建物だけで他は流されることはないでしょう。」と補足し、「ではゼロメートル地帯で水に浸かったらどうなると思う? 街の電柱に赤い帯がしてあるのを見たこがあるかな? 何なのかな?」との問いかけに、「津波の高さです。」とか、「荒川で水害が起きた時、水が赤い線まで来ることを示しています。」との答えに、「今のシュミュレーションでは新小岩に津波が来て、家が壊れることはなさそうです。でも画面に映っている人は、友人で身長185㎝ある水泳部のキャプテンですが、このように沈んでしまい、泥だらけの中を泳ぐことも出来ません。立石は4mも水に浸かり丁度体育館の回り廊下位の所です。でも新小岩は、2階へ逃げれば大丈夫です。」生徒は講師の説明に、「怖いな!」と言ったりほっ!と胸を撫で下ろしたりした。
「皆さん水害が起きたらどうしますか?」の質問に、「高い所へ逃げる。2階へ逃げる。ドアを閉めて水が入らないようにする。」と答え、講師は「そうです。でも水の力は強くガラス戸を破るかも知れません。葛飾区は放送で『逃げて下さい。』と伝えます。先程の中川さんの話を思い出して下さい。水害では、電気、水道、ガス、トイレ、エアコン、携帯電話、冷蔵庫などが使えないので放送は、『松戸、市川、都心の方へ逃げて下さい。』と伝えます。若しも葛飾区からの連絡が遅くなった場合は高い所へ逃げて下さい。備蓄って聞いたことある人?と聞くと反応は無かったが、洪水ハザードマップを映し出すと、「天サイ!まなぶくん」と声が上がった。
 
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講師は、「家の人と洪水ハザードマップを見て下さい。『天サイ!まなぶくん』ってどんなアプリかな?説明は難しいね。大人と子供が水に沈む絵で、自分の居る場所がどの位水に浸かるかが分かります。ハザードマップと『天サイ!まなぶくん』を必ず見て下さい。分かった人?」と聞くと殆どの生徒が手を挙げた。
次にボート訓練をしている様子の画面を映し、「地域の人は消防の人と避難訓練をしています。どうしてボート訓練をしているのか。町会の人達は自分を助けるのではなく、病気の人を助け、避難している人に食料を届ける訓練をしています。」
次にはボートを組み立てて中川へ運び、荒川をロックゲートまで下り、日本橋川の橋の下をくぐる操船訓練の様子を動画で示すと生徒達は一様にじっと食い入る様に見入っていた。
「町会の人達は、『大変だけど慣れてくると楽しい。』と言っていました。訓練場所は中川のテラスだけど参加してみたいと思う人は?」と聞くと多くの手が上がり講師は、「では機会があったら町会の人に頼んでみましょう。新宿の未来公園へ行ったことのある人は?」の質問に一名が「行った。」と答えた。
「あそこの公演はなぜ高くしているのかな?新小岩公園も今より高くして安全に避難出来るようにするのですね。今まで怖い話をして来ましたが、水があるからこそ水に親しみ楽しめることがあります。今日の2~3時間目は郷土かるたの授業ですね。郷土かるたに『川札』があるのを知っている人は?」と聞くと大勢の手が上がった。
「では『い』と『あ』の後に続く言葉は何ですか?」と郷土かるたの絵札を示すと後ろの生徒が、すっと立ち、「『い』くつもの川が流れる水のまち。『な』か川は右に左に七曲」と大きな声でスラスラと答えた。「葛飾は川と深く関係し、水に親しんで居ます。世界ではどうでしょうか?」と言いながら、オランダの川に架かる人道橋から今にも飛び込もうとしていたり、ボートやヨットを操作している子供の姿を映し出し、「この子達は皆さんと同じくらいです。」の説明に生徒達は「えっ!」と声を上げ、続いて川に面した家が船をクルマ代わりの乗り物にしていたり、船を家にしている或いは水に浮く家等を紹介する度に生徒は皆一様に「えっ!」と吃驚した様子だった。
次の画面で、「パリのセーヌ川ではカヌーに乗ったり、ロープを張り渡したり、プールにして、川辺にパラソルを拡げたりしてバカンスを楽しんでいます。中川も同じに出来るので新小岩のまちは豊かな素晴らしい街になります。川と暮らすのに危険と豊かさが共存しています。どうかハザードマップと『天サイ!まなぶ君』を家の人と見て下さい。
川札を勉強するときにも思い出して下さい。葛飾を安全で楽しい街にしましょう。」と締め括った。
終業のチャイムが鳴り、司会の先生が、「先日の台風21号では中川の水かさが増え、学校も休みになりました。今日は良い勉強をしました。講師の先生に挨拶をして終わりましょう。」で授業は終わった。
 
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